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病室から出るとAのお母さんがソファに腰をかけていた。
そしてこちらに気付くと手を振って立ち上がった。
「お母さん、」
「るぅとくん。本当にいつもありがとうね。Aも喜んでいるのよ。」
「いえ、」
だって彼氏として、好きな子のサポートするのは当たり前だから。
「本当にね、るぅとくんのおかげなの。
Aもるぅとくんに会えるとすごく嬉しいって、元気が出るって。
それに、Aの熱が出たことにもるぅとくんが気付いてくれたんでしょ?
それで病院嫌いのAを連れてきてくれて。」
お母さんは少し泣きそうだ。
でも…そうだよね。
自分の娘が病気なんだもん。
辛いのはAだけでも僕だけでもない。
「Aの病気ね、るぅとくんが早く見つけてくれなかったら今はもう危ない状況だったのよ。
早期発見だったから、手術もいらなかったの。
…だから、本当にるぅとくんには感謝しきれないわ。
本当にありがとう。
これからもAをよろしくね。」
ぺこりと頭を下げられる。
お母さんの目元は光っていた。
「こちらこそよろしくお願いします。」
…本当に良かった。
僕がAの熱に気が付かず、病院に連れて行ってなかったら…
ううん、こんなことを考えるのはやめよう。
Aは治るんだから。
僕の目頭は熱くなっていた。
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ぐみ - これは、号泣だ。素晴らしい、作品をありがとうございます! (2023年4月4日 15時) (レス) @page13 id: 7a92cf0797 (このIDを非表示/違反報告)
ぶんちよ - 初めて物語を読んで泣きました。自分がコメディ作家なのでこういうの書けるの尊敬します…! (2023年3月24日 23時) (レス) @page12 id: b99144ff97 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - 何回も何回も読んで泣きました。本当に素晴らしい作品ありがとうございました。ハッピーエンドも見たいくらいとても素敵なお話でした! (2021年9月1日 20時) (レス) id: 6f6156a767 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - るぅとくんはプロポーズしようとしたんだよね?その日に彼女が○んじゃうの見て号泣しました (2021年9月1日 20時) (レス) id: a2280fe934 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ - 一気読みして号泣しました。素晴らしい作品ありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ。 (2021年9月1日 14時) (レス) id: c268367dc6 (このIDを非表示/違反報告)
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