恋泥棒【宮侑／宮治】 (ページ1)

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大好きな彼氏がいる

彼は高校バレーをする人の中で、いや兵庫県で
知らない人はいないであろう有名人

“高校ナンバーワンセッター”とも名高い

宮侑

彼とお付き合いできていることが未だに夢だと思う

かっこよくて、努力家で誰よりもバレーを愛している人

彼がバレーボールをしているときは本当に楽しそうで
見ているこっちまで楽しくなれちゃう

バレー対する情熱がずば抜けていて、時々怖い時もある

でもそんなところも含めて彼が大好き

出会いは高一

侑と同じクラスだった私は、彼とはたまに言葉を交わす程度のただのクラスメイトだった

でもその時から友人と楽しそうに話す姿、美味しそうにご飯を食べる姿

ちょっといいな、かっこいいなと思っていた

恋に落ちたのは彼がバレーボールをしている姿を見た時

友達に誘われて練習を見に行った

私自身、バレーボールはルールを知っている程度で
体育でやる楽しいスポーツのうちの一つとしか思っていなかった

でもそんな考えなんてすぐに消え去った

彼がボールに触れた瞬間、息が止まった

身体が熱くなった
血液が逆流している

なんて表せばよいのだろう

いや、言葉では表しきれない

彼のトスがスパイカーのに吸い込まれるように運ばれる

完璧な位置、高さ、角度

美しかった

トスも勿論だけれど、彼がトスをあげる姿が

彼から目が離せない
心臓がうるさい

その時は恋、なんて感情はなく

ただただルールは知っている程度のバレーに感動して

彼のバレーに魅了されていた

気が付けばまつ毛が湿っていた

その後、彼を見る度にドキドキして

また彼のバレーがみたい
もっともっと近くで

話したい、笑い合いたい

触れたい、触れられたい

だんだん欲張りになっていった私は

私の想い全部を伝え、侑に告白した

彼はただのクラスメイトだった私に侑のバレーのことを熱く語られ、
また告白されてとても驚いていたが、優しく微笑み

｢ありがとう。ええよ、付き合おう｣

人生で1番幸せな日だったと今でも思う

勿論、侑と過ごす何気ない日常も幸せ