大嫌いだった【青葉城西】

不調 ページ7

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___てっきり芹沢は泣くかと思った





｢そ、そうだね！Aちゃんが怪我とかしても困るから、
端っこの方で見てってもらっていいかな？｣


｢あぁ、そうだな。｣


｢スポドリありがとな。｣


『…はい。そうします。
迷惑かけてすみません。』




明らかに俺が壊した空気を、みんなが戻そうとしてくれている。



俺が"ごめん”のたった3語を言えば収まることなのに。





｢じゃあ練習に戻るよ！｣


及川が全員に声をかけた。




そして俺だけに聞こえるように耳打ちをした。


｢大会が近くてイライラしちゃうことも分かるけどさー
あれは言い過ぎ！
ちゃんと後で謝りなよ？｣


｢わかってる。｣




そうはいっても俺のイライラはおさまらなかった。





給水の際、芹沢が作ってくれたスポドリに口をつける。


げっ、甘


スポドリを作ってくれたのは有難いが、
あれは規定量通りに作ると甘すぎる。


そんなの今日マネージャーを始めた奴にわかる筈はないが。


うすめが好きな俺は、我慢しながら濃く甘いドリンクを喉に通した。







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｢ナイスキー｣

｢っし！｣


金田一のスパイクはどんどん良くなっていく。





よし、俺も


｢レフトー｣


｢岩ちゃんっ！｣


いつも通りの感覚でボールを叩く。




だが手にあたる感触が悪い。


打ったボールはスピードも威力も無いボール。




｢っ…くそっ｣


｢ドンマイドンマイ！｣


調子が悪いのはその1本だけだと思っていた。


その後もいいスパイクは出なかった。




｢岩ちゃん不調？｣

｢あぁ、わりぃ｣


スポーツ選手には誰だって多少波というものはある。

ちっちゃい頃からバレーをやってきた俺はよく分かっている。





…でも今回の不調はいつもと違う気がする。


なんだろう、上手くジャンプが出来ない。

息が切れるのがいつもよりも少しだけ早い。

力がボールに伝わらない。




イライラしてるからか？

大会が近いからか？


焦りだけが芽生えていく。





明日はきっと大丈夫だろう

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