貴女を壊してもいいですか？

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DVなんじゃないか？
今思えばよくもまぁあんなストレートに言えたもんだ。




でも貴女は優しいから



彼氏束縛すごいんですか？


とか


彼氏と喧嘩でもしたんですか？


何かあったんですか？


って聞いても適当にはぐらかすんだろうと思って。




俺はあの頃既にAさんが気になっていて


でも彼氏がいるのは知っていたから


どうにかして貴女がフリーにならないか







…彼との関係の綻びを探していたんだ。



だから適当にはぐらかされちゃ困るというか…決定的な証拠が欲しかった。






『何言ってるのテヒョンくん、そんなことないよ、私幸せだよ？』





それでも逃げようとする貴女。


俺から？現実から？？





「じゃあなんでいつも傷だらけなの？なんで今泣いてるの？なんで辛そうなの？」


『…それは…………』


ブーーッブーーッ




机の上のAさんのスマホが震える。

ここからじゃ名前が見えないんだけど、貴女の表情からして、噂の彼からの連絡なんだろうなと察した。




「出なよ」


『あ…でも…』


「…出ないと後で辛いんじゃない？」


『………(ピッ)



もしも…え、違うよ、カトク？ごめん、まだ職場…本当！嘘じゃないよ、もう少しで終わるから…ね？だから違うって…もう私1人しか…信じてよ、本当だから！ごめん、ごめんね、不安にさせちゃってごめんね？…え、迎え？え、そんな…わ、わかったありがとう、じゃあ後で…』




怯えきって真っ青な顔の貴女。




『テヒョンくん、お願い、早く帰って…』




でも俺、性格悪いから



「なんでですか？彼氏さん迎えに来るって？せっかくだし挨拶させて下さいよ」



知るチャンスだと思った。







『そんなの…絶対ダメ………！お願い、彼を刺激しないで…じゃないと私、死んじゃう…！』


「………やっぱりDVじゃん」


『………そうかもしれない、だから、とりあえず今はお願い、すぐに帰って！！！』


「…わかりました」




これ以上は流石にまずいと思って店を出た。



店の入り口を見つめながら数分歩いているとスラッとした男性が店に到着した。



あれが彼氏かな。

あの人がAさんを苦しめているのにAさんに想われているなんて…



世の中理不尽だ。





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