Ep 01* 04 ページ27
*
『涼太君…』
今度は私から抱きしめた。
さっきは気付かなかった、涼太君がすごく痩せたこと。
背伸びをしても、大人ぶっても、涼太君はまだ１９歳で、歌もダンスも演技も、ひとりで抱え込むには大きすぎたよね。
「なんか、」
いつもより近くで聞こえる涼太君の声は、弱々しくて、思わず抱きしめている腕に力を込めた。
「なんか、うまく出来なくて…」
『うん』
「じゃあ、ここで泣いてくださいって言われてもどう感情を入れたらいいか分かんないし…。泣くのを我慢することは得意なんだけど」
涼太君が置かれている環境が悪影響を及ぼしていた。
レッスンでどんなに悔しい思いをしても、泣くことは許されない、泣くなら帰れ、そんな環境。
そんな環境で、みんな必死で頑張ってる。
『涼太君は、頑張ってる』
「全然ダメだよ」
『頑張ってるよ。大好きな歌も忘れるほど、一生懸命頑張ってる。私は、ちゃんと見てるよ』
「Aさん…っ」
涼太君の肩が震えたと思ったら、背中に腕が回って強く抱き締められた。
きっと、涙を見られたくないんだろうな。
そう思って、私はなにも言わずに涼太君の柔らかい髪を梳いた。
それから、即席だけど夕食を振る舞うと涼太君は完食して、最近食欲なかったのにおかしいなーって笑顔を見せてくれた。
ようやく見せてくれた涼太君の笑顔に、私もなんだか笑顔になれた。
「あ、今思い付いた！」
カバンからごそごそと取り出したノートを開いて、ペンで
眩しい光
手をかざす先に見えるもの
君の笑顔
その３つを書いて、満足そうにノートを閉じる。
「Aさん」
『ん？』
「ありがとう。俺、頑張れそう」
ひさしぶりの鼻歌を聞きながら、食器を片していると、途切れた歌声。
視線をあげると、ソファーに小さく丸まって涼太君は眠っていた。
まだまだ撮影は続く。
また不安になったときは私を頼ってくれたらいいな、なんて、新たに芽生えた感情の意味を私はまだ知らない。
…おやすみ、涼太君。
まだあどけない可愛さの残る寝顔にそう呟いた。
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#広臣and広斗の嫁HIKARU(プロフ) - ドキドキして。キュンキュンして。私涼太くんのこと、GENEのこともっと好きになりました!ほんとは寝てないといけない時間ですが読破しました笑これからも応援してます。PIERROTも素敵でした。あなた様の完全なるファンです!! (2016年12月20日 1時) (
レス) id: 01c5db0933 (このIDを非表示/違反報告)
風すけ(プロフ) - えみりさん» 遅くなってすみません。感動してくださってありがとうございます。！ (2015年6月12日 21時) (レス) id: 9031f63977 (このIDを非表示/違反報告)
えみり(プロフ) - どうなるかとドキドキしながら読ませてもらいました！とても感動しました！ (2015年5月24日 17時) (レス) id: d9a82e13bc (このIDを非表示/違反報告)
風すけ(プロフ) - すぅさん» 最後まで読んでくださりありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです。 (2015年5月17日 0時) (レス) id: 9031f63977 (このIDを非表示/違反報告)
すぅ(プロフ) - とてもとても感動しました。GENE全員の絆。ボーカル2人の絆、パフォーマー5人の絆。すべてが詰まっていて本当に素晴らしいです。 (2015年5月12日 23時) (レス) id: b2f11efe20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風すけ
| 作成日時：2015年4月18日 19時
