117* Side Ryuto.K ページ18
*
「龍友君、Aさんは？！」
ロス行きの搭乗口。
さっき着いた俺らの後から走って来た涼太が、息を切らしながら立ち尽くす俺の肩を掴んだ。
窓の外を指差す。
滑走路をゆっくり走っていた14:42発のロス行きの飛行機が、今、離陸した。
玲「…この便で間違いないの？」
亜「次の便は17:17発だし、出発を早めるって言ってたからこの便で間違いないと思う」
涼「そんな…」
俺の肩を掴んでいた涼太の手が、するりと力なく滑り落ちた。
亜「切り替えよう。涼太、これからは歌のことを考えるしかない」
涼「……」
メ「とりあえず、病院行ってリハビリのスケジュール組んでもらおうよ。１日でも早く歌えるように」
涼「……」
隼「大丈夫だって！ね、頑張ろう涼太君」
涼「……うん」
裕「足立さん、急いで。車、お願いします」
玲「え、待ってよみんな」
足立さんを急かして空港の出口に向かって小走りになるみんなを玲於が戸惑ったように追いかける。
…涼太は、まだ切り替えが出来てない。
追いかけてみんなを止めようとした俺の手を、涼太が掴んだ。
「俺、頑張るから…」
力なく笑って、それから、遠くなっていくみんなの後ろ姿を追う。
…駄目だ。
このままじゃ涼太は歌えない。
「…少し歌うことから離れてみることをお勧めします」
医者から言われた言葉に、亜嵐はあからさまにガッカリした顔をした。
メンディー君も、裕太君も、隼も、顔には出さないけど、肩を落としたのが分かった。
そんなみんなの態度を感じ取った涼太が俯いて唇を噛んだ。
このままじゃ涼太だけじゃなく、GENERATIONS自体が崩壊してしまう。
亜「俺たちには時間がないんです。先生、どうにかなりませんか？」
龍「亜嵐、やめろ」
メ「涼太が歌えないと俺らなんのために今まで頑張ってきたのか分かんないじゃん」
涼「…ごめんなさい」
玲「涼太君は悪くない。だから、もう止めよ」
裕「玲於はなんのためにダンスしてんの？そもそも玲於が余計なことするからこんなことになったんだろ」
玲「…ごめんなさい」
涼「違う、玲於のこと責めないで」
隼「だったら早く歌ってよ。涼太君に代わりはないんだから」
龍「いい加減にしろ！ここどこだか分かってる？喧嘩するとこじゃない。帰るぞ」
顔をしかめる医師に頭を下げて診察室を出ると、厳しい顔をしたHIROさんが腕を組んで立っていた。
118* Side Ryuto.K→←116* Side Alan.S
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 283人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
#広臣and広斗の嫁HIKARU(プロフ) - ドキドキして。キュンキュンして。私涼太くんのこと、GENEのこともっと好きになりました!ほんとは寝てないといけない時間ですが読破しました笑これからも応援してます。PIERROTも素敵でした。あなた様の完全なるファンです!! (2016年12月20日 1時) (
レス) id: 01c5db0933 (このIDを非表示/違反報告)
風すけ(プロフ) - えみりさん» 遅くなってすみません。感動してくださってありがとうございます。！ (2015年6月12日 21時) (レス) id: 9031f63977 (このIDを非表示/違反報告)
えみり(プロフ) - どうなるかとドキドキしながら読ませてもらいました！とても感動しました！ (2015年5月24日 17時) (レス) id: d9a82e13bc (このIDを非表示/違反報告)
風すけ(プロフ) - すぅさん» 最後まで読んでくださりありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです。 (2015年5月17日 0時) (レス) id: 9031f63977 (このIDを非表示/違反報告)
すぅ(プロフ) - とてもとても感動しました。GENE全員の絆。ボーカル2人の絆、パフォーマー5人の絆。すべてが詰まっていて本当に素晴らしいです。 (2015年5月12日 23時) (レス) id: b2f11efe20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：風すけ
| 作成日時：2015年4月18日 19時
