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「…こっち」
エレベーターを降りてマンションのエントランスを抜けると、ぶっきらぼうにそう言った玲於に腕を掴まれて大通りに出た。
私の腕を引く玲於の力は強かった。
痛くて泣きそうになっていると手を離されて、ブロックに飛び乗った玲於はすっと片手を上げた。
目の前に止まった黒いタクシー。
『あの、玲於…』
「連絡来て良かったじゃん」
『……うん』
「気をつけて」
なんでこんなに優しいの？
私たちの間に愛なんかないはずなのに、どうして玲於は大樹がしてくれないことをやってくれるの？
勘違いしてしまいそう。
『……ありがとう。玲於』
「じゃあ」
小さく手を振って、玲於は私に背を向けて歩き出した。
躊躇うことなんてなにもない。
今から私は大好きな人のもとに行くんだから。
『玲於…』
玲於の後ろ姿が、いつもと違って見えるのは、何故だろう。
私を引き止めているように見える。
それは、私の心が揺れているから……？
「乗るの？乗らないの？」
『…………ん』
「え？」
『乗りません！』
すみません、とタクシーの運転手に頭を下げて走って追いかけた先にある玲於の背中に抱きついた。
「A？！どうして…」
『何となく、かな』
「大樹は？いいの？」
『いいの。今日は玲於と一緒にいる』
振り返った玲於に笑い掛ける。
すると、今までにないくらい強く抱きしめられた。
『玲於…？』
「ごめん。今はこうしてて」
頭上から聞こえる小さな声。
心なしか震えているようにも感じて、玲於がものすごく愛しくなった。
『あっ、れお…っ』
１つ１つと秘密が増えていく。
それでも私の身体に触れる玲於の手は優しくて、秘密を共存しあえる共犯者のように思えた。
身体中にキスを落とす玲於の唇がくすぐったくて身体を捩るけど、口付けされた箇所は熱を帯びて体内が熱くなった。
本能の赴くままに何度も身体を重ねて、１日中触れ合っていた。
「こんな風にAとゆっくり出来るのは久しぶりかも」
肩口に顔を埋められて熱い吐息が吹きかかる。
『玲於…っ』
「可愛い。もう限界？」
『もっとして…』
「もっと？」
自分でも笑えるくらいに玲於を求める私がいた。
体力は限界なのに少しでも長く繋がっていたくてわがままを言った。
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∵ R ∵ - 玲於くんがかっこよすぎて、涙が止まりません…(感泣) (2017年4月10日 22時) (
レス) id: bc068a0168 (このIDを非表示/違反報告)
光(プロフ) - 玲於の話好きです。 (2017年1月4日 15時) (レス) id: 37f184468a (このIDを非表示/違反報告)
マダムムラサキ(プロフ) - 風すけさん» ありがとうございます!!読ませていただきます (2016年8月5日 21時) (レス) id: cdbc4f2c0b (このIDを非表示/違反報告)
風すけ(プロフ) - こんにちは、おそくなってすみません。そうですね、なかなか300まで遠いです。今、新しい小説を書いているのでゆっくり300を目指そうと思います。新しいのを見たいって言っていただけてすごく嬉しいです。ありがとうこざいます！ (2016年8月5日 17時) (レス) id: 9031f63977 (このIDを非表示/違反報告)
風すけ(プロフ) - 遅くなってごめんなさい。リクエストありがとうございます。了解しました！ (2016年8月5日 17時) (レス) id: 9031f63977 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風すけ
| 作成日時：2016年3月9日 15時
