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Side ALAN




所属タレント総出の緊急会議で、軽率な行動は取らないようにして充分に気を配ること、なんてお達しを受けて解散したあと、俺は会員制クラブにいた。


別にこれは軽率な行動じゃない。

勉強のためのDJ活動は事務所にも認めてもらっているし。

……なんて言い訳をして。




そこで自棄酒をしているAを見つけた。

1ヵ月前と同じように、周りに壁を作って人を寄せ付けないオーラをばんばん出している。


ステージから降りるよりも先にふらっと居なくなったAを追って、俺はフロアーを抜け出した。






「…待って!」



雨だか泥水だか分からないぐらいびしょ濡れになったAの手を掴む俺も、同じぐらいびしょ濡れで。

雨の日にお気に入りの白のボトムを選んだ朝の自分はどうかしていた。


思っていた通りAと会えたけど、泥まみれなのは想定外だった。




「やまないな」

『…うん』


アーチの下で雨宿りをするふりをして、ずっと考えてた。

Aの心を手に入れる方法を。



そんなときAのスマホが着信を告げて、表示画面を見て僅かに顔を変えたAに嫌な予感がした。


人形みたいって思ってたけど、今なら分かる。


背伸びをするような大人な表情をして、しかめっ面の中に見え隠れする素直な子供じみた感情。

嬉しい、大好きって今にも叫び出しそう。



思わず目を反らしたくなったけど、俺はほんの少しの隙を見逃さないためにAをじっと見つめた。


だから、気付けた。

AのSOSに。




背伸びをして慣れない場所で自棄酒を飲んでたのは、そういうことだったのか。


Aが荒れていることと、朝のニュースが伝えていた芸能スキャンダルが繋がっていると考えれば納得がいく。


たしか、Aとあの人は面識があったはず。

さっきちらっと盗み見た、" T " の文字を見たときに感じた嫌な予感が的中したと思った。




俺は今、" T " に嫉妬している。





「うち、おいでよ」

『あらん…』

「洗い流したいもの、あるんだろ?」



あの人みたいに、遊びだったのに困ったなー、なんて、俺は言わない。

本命なんていないっすよ、なんて、俺は言わない。

いいわけなんかする必要ないぐらい、俺はAのことしか見ない。


本気なんだ。


……だけど、傷ついているAにどう伝えたらいいのか、分からない。







 

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∵ R ∵ - 玲於くんがかっこよすぎて、涙が止まりません…(感泣) (2017年4月10日 22時) (レス) id: bc068a0168 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 玲於の話好きです。 (2017年1月4日 15時) (レス) id: 37f184468a (このIDを非表示/違反報告)
マダムムラサキ(プロフ) - 風すけさん» ありがとうございます!!読ませていただきます (2016年8月5日 21時) (レス) id: cdbc4f2c0b (このIDを非表示/違反報告)
風すけ(プロフ) - こんにちは、おそくなってすみません。そうですね、なかなか300まで遠いです。今、新しい小説を書いているのでゆっくり300を目指そうと思います。新しいのを見たいって言っていただけてすごく嬉しいです。ありがとうこざいます! (2016年8月5日 17時) (レス) id: 9031f63977 (このIDを非表示/違反報告)
風すけ(プロフ) - 遅くなってごめんなさい。リクエストありがとうございます。了解しました! (2016年8月5日 17時) (レス) id: 9031f63977 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:風すけ | 作成日時:2016年3月9日 15時

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