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芸能人の熱愛スキャンダルは世間を一瞬にして賑わせる。
今日のスポーツ誌の一面を飾った名前に、多くの女性が悲鳴をあげてそれはそれは大きな話題となった。
ガンガン流れるダンスミュージック。
だけど、私の耳にはなにも聞こえないしなにも響かない。
そりゃそうだ。
私はこんなとこ、好きじゃないから。
あの人に近付きたくて、背伸びして、嗜好を合わせる努力をした。
…馬鹿みたい。
『……帰ろう』
ぽつっと呟いた私の声は、シンセサイザーの音にかき消された。
クラブを出ても朝から降り続いている雨はやむことなく地面を叩きつけていて、私は今日の災難を運んできたのはこの雨だと、全てを雨のせいにした。
こんなときに限ってタクシーが掴まらない。
イライラしたまま雨の中を駆け出すと、大きなトラックが私を目掛けて泥水を飛ばした。
真っ白なスカートがまばらに黒く染まる。
今日は本当にツイてない。
「…待って！」
そのまま歩き出そうとした私の手を誰かが握った。
こんなボロボロな女に声をかける物好きがいるなんてめんどくさいな。
そう思って仕方なしに振り返る。
『亜嵐…？』
１ヵ月以上も前に、" また " と言って別れた亜嵐が私の手を握っていた。
「さっき見かけて、追いかけた」
『…そう』
「雨の中傘も差さずになにしてんだよ。こっち来て」
そのまま繋がれている手を引かれて連れて行かれたのは、シャッターのしまった店先。
アーチになった屋根が私を雨から遮ってくれる。
「久しぶりだな」
『…うん』
また、と言って別れたけど、そんなの社交辞令で二度と会うことはないってお互い分かってた。
一度きりの過ちをおかしてしまったのは、雨のせい。
そんな亜嵐と再会した。
びしょぬれになって私を追いかけてきた亜嵐は、あの日のように空を見上げて " やまないな " って呟いたきり、黙り込んだ。
あのときは全部、綺麗に洗い流された気持ちでいた。
つまらない意地も、醜い嫉妬心も。
『……。』
「……。」
あの日みたいに連れ出してよ。
彫刻みたいな綺麗な顔を歪めてどうでもいい話をたくさんして、異空間にいる私を引っ張り出してよ。
なのに、こういうときに限って、亜嵐は無口なんだね。
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∵ R ∵ - 玲於くんがかっこよすぎて、涙が止まりません…(感泣) (2017年4月10日 22時) (
レス) id: bc068a0168 (このIDを非表示/違反報告)
光(プロフ) - 玲於の話好きです。 (2017年1月4日 15時) (レス) id: 37f184468a (このIDを非表示/違反報告)
マダムムラサキ(プロフ) - 風すけさん» ありがとうございます!!読ませていただきます (2016年8月5日 21時) (レス) id: cdbc4f2c0b (このIDを非表示/違反報告)
風すけ(プロフ) - こんにちは、おそくなってすみません。そうですね、なかなか300まで遠いです。今、新しい小説を書いているのでゆっくり300を目指そうと思います。新しいのを見たいって言っていただけてすごく嬉しいです。ありがとうこざいます！ (2016年8月5日 17時) (レス) id: 9031f63977 (このIDを非表示/違反報告)
風すけ(プロフ) - 遅くなってごめんなさい。リクエストありがとうございます。了解しました！ (2016年8月5日 17時) (レス) id: 9031f63977 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風すけ
| 作成日時：2016年3月9日 15時
