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ある程度片してしまっていたから、早く早く、と手招きをする隼の隣に並んで歩きだす。


隼「もういないし。つれないなー、玲於」

『はは…』

隼「Aも気になってるなら声かければ?」

『……。』

隼「ほんと、こっちがもやもやするよね」

『…なんのこと?』



ドキッと高鳴った胸の鼓動をごまかして隼を見る。

なんでもない!と、語尾を強めた隼は隣の部屋のドアを開けるとケータリングを選ぶメンディーさんの近くに寄っていった。






亜「玲於、それだけ?」


席についた玲於のお皿に盛られているのはサラダだけ。

隣に座った亜嵐君がそれを見てもっと食べないとスタミナがつかないと玲於を咎めている。


玲「大丈夫っす」

亜「運動したんだからお肉食べなさい。はい、せめて3切れ」

玲「…ども」


亜嵐君のお皿からお肉を3切れ移された玲於は不服そうな顔をしながらも一気にそれを口に運んだ。


さっきより顔色が悪くなったような気がする…。

大丈夫かなぁ…。









亜「A、玲於頼んでもいい?」



亜嵐君に呼び止められたのは、夕方近く。

ボーカルは新曲のレコーディング、パフォーマーは新曲の振り入れをしていたそんな午後のことだった。



『え、っと…?』

メ「熱があるみたいだからさ」

玲「別に、大丈夫だから」


おでこに手を添えようとしたメンディーさんの手を払いのける。

それにふらついて裕太君に支えられているところを見る限り、結構熱があがってそう。



裕「今日は大人しく帰れって」

玲「いや、でも」

亜「無理して悪化した方が迷惑」

玲「……。」


リーダーである亜嵐君にそこまで言われると言い返せないのか、口をつぐんだ玲於はおとなしく頷いた。






「ひとりで大丈夫だから」



そばに駆け寄ろうとした私をそう言って拒絶したくせに、メンディーさんの手によって押し込まれたタクシーが発車した瞬間、玲於は目を閉じた。

窓に頬をくっつけて、呼吸も辛そう。



「もういいから」

『あともうちょっとだけ』


帰れ、なんていう冷たい言葉にも屈さずに部屋まで着いていく。

あともう少しいうところで玲於の足の力が抜けて、一緒に崩れるようにベッドに倒れ込んだ。



『…だと思った』

「……」

『夢者修行のときもそうだったじゃん。体調悪いことみんなに黙ってて、無理してこじらせてさ』

「…ごめん」


素直に、ごめん、と謝る玲於。

おでこに手を添えると、びっくりするくらい熱かった。






 

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∵ R ∵ - 玲於くんがかっこよすぎて、涙が止まりません…(感泣) (2017年4月10日 22時) (レス) id: bc068a0168 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 玲於の話好きです。 (2017年1月4日 15時) (レス) id: 37f184468a (このIDを非表示/違反報告)
マダムムラサキ(プロフ) - 風すけさん» ありがとうございます!!読ませていただきます (2016年8月5日 21時) (レス) id: cdbc4f2c0b (このIDを非表示/違反報告)
風すけ(プロフ) - こんにちは、おそくなってすみません。そうですね、なかなか300まで遠いです。今、新しい小説を書いているのでゆっくり300を目指そうと思います。新しいのを見たいって言っていただけてすごく嬉しいです。ありがとうこざいます! (2016年8月5日 17時) (レス) id: 9031f63977 (このIDを非表示/違反報告)
風すけ(プロフ) - 遅くなってごめんなさい。リクエストありがとうございます。了解しました! (2016年8月5日 17時) (レス) id: 9031f63977 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:風すけ | 作成日時:2016年3月9日 15時

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