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ぴこん
そんな私の気持ちを代弁するようにスマホが通知音を鳴らして、普段なら無視するのに時間稼ぎのつもりで私はおもむろに立ち止まった。
これが全てを終わらせるきっかけになる通知音だと知らずに…。
大樹＞仕事終わった？
『……。』
「A？どうかした？」
『……なんでもない。早く行こ──』
ぴこん、ぴこん
大樹＞今、マンションの前にいる。
大樹＞会いたい。
『……。』
神様は意地悪だ。
浮かれた私を冷静にさせて、あっという間に夢の世界から現実に引き戻してしまう。
私は恋人である大樹とじゃなくて、玲於とデートをするために水族館の近くまで来ていて、その上かなり浮かれていた。
そんな玲於とは、潔白な関係じゃなくて、ずぶずぶした目も当てられないような関係で…。
これは神様に与えられた罰なのかもしれない。
「……行かないの？」
『……』
「行けよ」
『…でも、』
「無視するわけにはいかないだろ。既読つけちゃってるんだし」
『玲於…っ』
私の手に触れていた玲於の手が離れていく。
そのことに不満を持つ私は、もうとっくに取り返しのつかないところまできていた。
大樹じゃなくて、玲於と一緒にいたいって思ってしまった。
「なに？」
『もうここまで来ちゃったし…』
「まだ戻れるだろ」
『…でも、』
俺と居ろよって言ってほしい。
そうしたら何かが変わる気がするの。
「……じゃ、俺の勝ちってことで」
だけど、玲於の口から出た台詞はそんな甘い言葉じゃなかった。
『勝ち、って…？』
「最近の大樹ってかなり調子こいてるじゃん？だから、大事なもの奪っちゃおうかなーって」
『…なにそれ、』
「でも、俺もう飽きちゃったんだよね。どうせ今日で最後にするつもりだったし、なら１秒でも早い方がいいや」
冷たい目。
冷たい声。
こんな玲於は、はじめて見る。
『嘘、だよね…？』
「本心だし。あー、最後に抱かせてくれるのなら大歓迎。ホテル行く？」
頭に血がのぼって思わず手が出た。
雨に負けないくらいの乾いた音がその場に響く。
私は大樹への腹いせで玲於を利用した。
私に玲於を怒る資格がないってことは、当事者である自分が１番よく分かってる。
「…いってーな」
だけど、許せなかった。
『最低…』
ぐっと唇を噛み締めその場を走り去る。
馬鹿みたい。
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∵ R ∵ - 玲於くんがかっこよすぎて、涙が止まりません…(感泣) (2017年4月10日 22時) (
レス) id: bc068a0168 (このIDを非表示/違反報告)
光(プロフ) - 玲於の話好きです。 (2017年1月4日 15時) (レス) id: 37f184468a (このIDを非表示/違反報告)
マダムムラサキ(プロフ) - 風すけさん» ありがとうございます!!読ませていただきます (2016年8月5日 21時) (レス) id: cdbc4f2c0b (このIDを非表示/違反報告)
風すけ(プロフ) - こんにちは、おそくなってすみません。そうですね、なかなか300まで遠いです。今、新しい小説を書いているのでゆっくり300を目指そうと思います。新しいのを見たいって言っていただけてすごく嬉しいです。ありがとうこざいます！ (2016年8月5日 17時) (レス) id: 9031f63977 (このIDを非表示/違反報告)
風すけ(プロフ) - 遅くなってごめんなさい。リクエストありがとうございます。了解しました！ (2016年8月5日 17時) (レス) id: 9031f63977 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風すけ
| 作成日時：2016年3月9日 15時
