Sugar (ページ8)

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空は雲ひとつない快晴で気温もそこまで低くなく、まさに学祭日和といったところだ。

私たちのサークルは日本人が数名と、日本の文化が好きな韓国人数名で成り立っている小規模なサークルで、年齢関係なくみんな仲がいいところが心地よい。

そんな私たちの出し物はなんと言っても日本食。有難いことに毎年多くの人で列ができるくらい、サークルの中でのビッグイベントだ。

「Aちゃん、おつかれ！」

「ショウタロウさん！お疲れ様です」

ショウタロウさんは休憩してる私に冷たいペットボトルを渡してくると私の横にある狭いスペースに腰をかけた。

ショウタロウさん。ダンスサークルに所属していて、誰にでも分け隔てなく優しくしてくれる、太陽みたいな人。

「今年も忙しそうだね」

「おかげさまですよ。ショウタロウさんはステージ出るんですか？」

「うん！今日の夜本番」

「え！絶対見に行きます」

「ありがと〜！」

ウヒヒ、と笑うと口角がきゅっと上に上がる顔がものすごく可愛いな、なんて思ってしまう。

「このあともまだシフト？」

「今日はもう終わりなのでこのあと知人とまわろうかなって」

「そっかそっか〜、楽しんでね」

ショウタロウさんは学祭のマップを広げて私にこことここの店舗が美味しいご飯があって〜、と楽しそうに教えてくれるからつられて私もニコニコと顔の筋肉が緩まっていくのが分かった。

「えてか知人ってだれ？友達とかじゃなくて知人って」

友達、というのも変だし、同居人というのもなんだか小っ恥ずかしい。なんとも言い難い関係に口を閉ざしていると

「好きな人？」

なんて屈託のない笑みで言ってくるから絶叫してしまった。

「ちがいます！！」

「(笑)じゃあ、誰なの〜ㅋㅋ」

『僕です』

いつからそこにいたのか、気配を消していたチャニョンが横からヌッと現れ、また絶叫する私をショウタロウさんは笑ってみていた。

「うわ！？」

『Aヌナ行こ』

チャニョンは私の手を握ると想像してもいなかったくらいの力でずんずんと進んで行く。

その手はあまりにも大きくて、強くて、骨ばっていて。

触れたところから湯気が出てしまうのではないかと思うくらい熱かった。

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