Honey Drop (ページ6)

今日:7 hit、昨日:7 hit、合計:10,425 hit

◯ 6 ページ6

.

私を探して、って、どういう意味？

そう送ろうとした瞬間画面からHoneyさんの表示は消え、授業終わりの合図が鳴った。

探して、って

花言葉を知ってて、そう言ってきたの？

Honeyさんって、誰なの？

一気にいろんな感情が脳内を駆け巡って、思考回路はショート寸前だった。

『Aー！教室戻ろ〜！』

「あ、うん。戻ろ！」

『またエアドロ、してたの？』

「うん。私を探してって」

『え？なにそれ』

「白いたんぽぽの花言葉だって」

『意味深すぎる！！！探して欲しいんじゃない！？』

ソアとそんな話をしながら筆記用具をまとめて教室から出ようとしたその瞬間、女子たちの黄色い声が廊下に響き渡った。

きゃあきゃあと、目の中をハートの形にした女子たちが叫んでいる先には、伝説の先輩ジョンハン先輩が歩いてきていた。

『あ！出た！見に行こ！』

ソアは私の腕をグンと引っ張り廊下に出ると『こんなに近くで初めて見た〜』と目をハートにさせていた。

小さい顔にとろんとした大きな目。筋の入った高い鼻に、陶器みたいな肌。

女子たちが目をハートにさせる理由しかない容姿におっとりとした喋り方。

か、かっこいい…

ジョンハン先輩はどんどんとこちらに近づいてきて、目の前を通り過ぎる瞬間、ほんの一瞬だけ目が合うと、一気に顔に熱が集中するのがわかった。

『A、顔赤いよ』

「だってかっこいいもん」

『ねー、遠くで見てるのがいいね』

「うん、近づけない」

あの人が好きになる人ってどんな人なんだろう。

あの人の心をゆさぶれる人って、どんな人なんだろう。

そんなことを思いながら、私とソアは教室へ戻った。

.