おかしい ページ15
「…いつからなん？」
「…あんたが一方的に変な宣言した次の日」
「誰がやるん？」
「あんたについてくる女子。つまりクラスの女子ほぼ全員」
「なんで？」
「さあ？私があんたの”彼女”なのが不満なんじゃん？」
やっぱりそうやったんや、なんて呟くあいつ
「…バレてたの？」
「望から全部聞いた」
あのチャラ男…！
「どんな気持ちやった？この何日か」
素直に言うのをためらっていると
「我慢せんと言ってぇや。
普段神ちゃんとかに話すみたいに、な？」
「…ひどいこと言うよ？」
「ええよ」
こんな警告をするようになった時点で
私の気持ちはすでに変わり始めていたのかもしれない
前だったらそれでも言わないか
何も気にしないで気持ちをぶちまけていただろうに
こいつの気持ちを気遣うなんて…
でももう流石に我慢することに疲れて
お言葉に甘えて気持ちをぶつけることにした
「…どんな気持ちだったかって？…辛かったに決まってるじゃん。
周りからは無視されるような地味で影薄い存在で私もそれで満足してたのに
急にあんなこと言ったあんたのせいで変に注目されるようになって。
あんたのこと好きでもないのに嫉妬されて、
ほんと迷惑でしか…ないから…グスン…いい加減にしてよ…」
うわぁやっちゃった
涙を見せたくなくてあいつに背を向けると
少し経って温もりを背中に感じた
筋肉質な男っぽい腕が腰に回るのを感じる
「ごめん。その…俺が言うことやないけど、無理せんといて」
いつもよりちょっと低い声で
あいつっぽい不器用な謝罪をされるとなんだか身体の力が抜けた
ようやく誰かに話せたこともあったかもしれない
まあその相手があの藤井流星になるとは思いもしなかったけど
「もう、さ…あの子らも、いじめへんと思うから。
俺きつく言うたし。せやからさ…安心して俺の彼女でいてや」
何でこんなに調子を狂わせることを言うんだろ
「…まだ私は認めてない」
照れをごまかすために全力で強がるけど
「ふふっせやなぁ。まぁでも見とき？
すぐ俺のことほんまに好きにさせたる」
効果はいまひとつ
「やっぱ今日は戻らん方がええよ。
しげと濱ちゃんにも言うてくるから待ってて？」
そう言い残し
最後に私の頭をポンポンっと叩いて出て行ってしまった
…おかしい。
前と違って嫌な気分がしない
むしろ…ちょっと嬉しかった…
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てでぃー(プロフ) - 夏さん» 教えてくださりありがとうございました！これからも読んでいただけると嬉しいです。 (2017年8月23日 18時) (
レス) id: 031adc9624 (このIDを非表示/違反報告)
てでぃー(プロフ) - 夏さん» ページ12では『お大事にして欲しいわねー』を、ページ16では『はい！お大事にしてくださいねー』を言い切る前に"あいつ"と桐山先輩が話し始めたことを表した意図的表現だったんですが、誤解を招いてしまい申し訳ありません。 (2017年8月23日 18時) (レス) id: 031adc9624 (このIDを非表示/違反報告)
夏 - ページ12【お大事にして欲し】→欲しい、 ページ16【はい！お大事】→はい！お大事に だと思います。 (2017年8月23日 16時) (レス) id: 1a0acc03b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てでぃー
| 作成日時：2017年8月11日 0時
