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お前ら ページ12

「わかんない、けど…肩、貸して」



あいつは私が立ちやすいように体勢を変えてくれて

肩を借り力を込めて踏ん張るけどなかなか立ち上がれない




「(名字)どしたん!?」

「A!大丈夫なん!?」

「Aちゃんケガ!?」



事態に気づいた重岡先生と神ちゃんと小瀧くんの声が聞こえる





大丈夫だから心配しないで、と返そうとするとあいつが



「こいつ足首ひねった上なんか顔にも痣あるんで」





「あ、ほな俺が」



当たり前のように神ちゃんが近づいてくると





「いや、神ちゃんはええよ。俺が保健室連れてくわ」





そう言うと身体がふわっと宙に浮く感覚がして

気づいたらあいつに抱えられていた





「腕。俺の首に回して」





言われた通りにする


これって…お姫様抱っこ、ってやつ?




「…そか、んじゃあ藤井に頼むわ」

「流星が連れてくなら安心やな!」

「藤井いけるかー?」




神ちゃんと小瀧くんと重岡先生の言葉に頷いて歩き出す…前に


流星が女子の方を向くと、女子は一斉に私の心配を始めた




「(名字)さん大丈夫かしらー?」

「まさか怪我しちゃうなんて」

「お大事にして欲し」





「お前ら何やってくれてんねん」




そんな嘘の同情も言い切る前にかき消すあいつの低い声





「俺が見てへんとでも思ったん?
お前らがこいつのこと集中砲火して吊るし上げとったん」


「そ、それは」





「今だけとちゃうぞ。


『根暗』?『性格ブス』?『尻軽女』?はぁ?


こんなことやるお前らの方がよっぽど性格ブスやし
俺が来たからっていい子ぶるお前らの方がよっぽど尻軽女やろ」





怒っているあいつを見るのは初めてなのか

女子はみんなわなわなと震えている





「俺な、こういうどーしようもない嫌がらせする奴が1番嫌いやねん。

どんな理由かと思ったら俺がお前らの彼氏やないからって、くだらなすぎるやろ」





体育館にはあいつの声しかしない





「ええか?どんな理由があっても2度とこいつに手ぇ出すな。

こいつに手出したら俺を敵に回したと思え。分かったか?」





ピシャリと音がしそうなくらい冷静に言い放ったこの言葉に


女子はみんな頷いた





「分かったならええ。…待たせてごめんなA、行こか」





私を1度抱え直して、あいつは体育館の外へと歩き始めた





「痛ない?」


「…全然」




「ふはっ嘘やん、死にそうな顔してんで笑」





そんな小言を言い合っているうちに保健室に着いた

保健室→←試合



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てでぃー(プロフ) - 夏さん» 教えてくださりありがとうございました!これからも読んでいただけると嬉しいです。 (2017年8月23日 18時) (レス) id: 031adc9624 (このIDを非表示/違反報告)
てでぃー(プロフ) - 夏さん» ページ12では『お大事にして欲しいわねー』を、ページ16では『はい!お大事にしてくださいねー』を言い切る前に"あいつ"と桐山先輩が話し始めたことを表した意図的表現だったんですが、誤解を招いてしまい申し訳ありません。 (2017年8月23日 18時) (レス) id: 031adc9624 (このIDを非表示/違反報告)
- ページ12【お大事にして欲し】→欲しい、 ページ16【はい!お大事】→はい!お大事に だと思います。 (2017年8月23日 16時) (レス) id: 1a0acc03b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てでぃー | 作成日時:2017年8月11日 0時

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