悲鳴の原因 ページ2
あの日も朝までは普通だった
いつも通りの時間に学校に着いて
おはよう、と言われたらおはようと返して
席に着いたらいつも通りあの人に声をかけられる
「よぉA」
「おはよう神ちゃん」
神ちゃんとは同じクラスで
始業式の日席が隣になってからずっと話しかけてくれる
気を遣わなくていいから、素の私でいられる貴重な存在だ
「何してん？」
「どこからどう見たって本読んでるでしょ」
「相変わらずツンツンしとんなぁ」
あくびをしながらそんなことを言う神ちゃん
「まあビックリするかもね、
こんな地味な女子高生が実はツンツンしてましたーなんて。需要ないし」
「まあええんちゃう？それがAやし」
それを最後にそれ以上は追及して来なかった
なんでって？
朝からする話ではないから、それはまた今度。
いつものように神ちゃんと他愛もない話をしていると
いつものように廊下から黄色い悲鳴が聞こえる
「あぁ…お出まし、やな」
神ちゃんもやれやれ、という風な顔をしている
クラスの女子が全員教室からいなくなるのは
本に集中したい私からしてみれば都合がいいけど
何せうるさくて結局読めずじまい
諦めて本を閉じる
「どうやったらあんな声出るんだろ、ほんと」
「女子はみんなああいう声出るんとちゃうの？」
「逆に私からあれが出ると思う？」
「出ぇへんな、うん。笑」
「特殊訓練だよきっと笑」
そんなことを言い合ってると
教室の前のドアから悲鳴の原因が入ってきた
後ろから金魚のフンみたいにクラスの女子がくっついて来ていて
悲鳴の原因くんは満更でもない顔をしている
「藤井くん今日もカッコいいね♡」
「ほんまにー？」
「藤井くん今日はお昼何を召し上がるの？」
「あーなんやろ、まだ決めてへんなぁ」
「よかったら私の手作り弁当召し上がって…？」
「ちょっとあんた何抜け駆けしようとしてんのよこの媚売り女！」
「そうよ藤井くんはみんなのものよ！？」
「藤井くんにご指名されるような顔もしてないしね、かわいそー」
「まあまあ揉めんといてぇや、なぁ？」
「…神ちゃん？」
「ん？」
「…吐きそう」
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てでぃー(プロフ) - 夏さん» 教えてくださりありがとうございました！これからも読んでいただけると嬉しいです。 (2017年8月23日 18時) (
レス) id: 031adc9624 (このIDを非表示/違反報告)
てでぃー(プロフ) - 夏さん» ページ12では『お大事にして欲しいわねー』を、ページ16では『はい！お大事にしてくださいねー』を言い切る前に"あいつ"と桐山先輩が話し始めたことを表した意図的表現だったんですが、誤解を招いてしまい申し訳ありません。 (2017年8月23日 18時) (レス) id: 031adc9624 (このIDを非表示/違反報告)
夏 - ページ12【お大事にして欲し】→欲しい、 ページ16【はい！お大事】→はい！お大事に だと思います。 (2017年8月23日 16時) (レス) id: 1a0acc03b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てでぃー
| 作成日時：2017年8月11日 0時
