ツンデレ上司 [黄] 番外編

素直 ページ6

「あかんでのんちゃん淳太くんに怒られんでぇ？笑」

「俺も手伝おか？」


心配してくれる同部署の先輩と同期に無理な笑顔を見せて



「大丈夫！俺出来るオトコやしすーぐ終わるわ！ほなお先失礼しますー！」



何も疑わずに見送ってくれた4人とは
少し違う流星の視線を無視して
俺は夜の街に繰り出した




街を歩いていると色々なことを思い出す



2人で行った洋食屋

あいつが泣きながら待っとったデパート

あいつとアイスを買ったコンビニ


あいつへの気持ちをぶつけた俺の家




部屋に入ってカバンを放り投げてケータイだけ出して
スーツをさっさと脱いでハンガーにかけて部屋着に着替えるや否や
ソファーにうつ伏せで飛び込むとゆっくり俺の身体は沈んだ



急にケータイのバイブが鳴り起き上がって確認すると流星からで



『大丈夫か？』



『仕事の量鬼やねんけど…なに？手伝ってくれるん？』

目をキラキラさせた絵文字と一緒に送る



文やと嘘つくのが簡単でよかった、
と油断しとったらまたメッセージが浮かび上がる



『嘘やろ、仕事って』



思わず既読をつけてもうた俺は
慌ててスクリーンを消すけど時すでに遅し
着信音が流れ始めて渋々電話を取る



「ヤッピーーーー！」

「大丈夫なん？」


「まぁ大丈夫か大丈夫やないかで言うたらーとぅんとぅんやなっ。
心配すなってー！俺を誰やと思ってるん？
天下の小瀧様やで！？仕事くらい一発でやっつけ」


「無理すなや」


「…は、はぁ？無理？笑
そんなん俺がするわけ」



「Aやろ？」



なんで流星にはバレてまうんやろ



「…いやいや！だって俺Aとは腐れ縁やで？
それにあいつの恋を応援しとった立場なんに落ち込むわけないやーん笑
それこそ流星は大丈夫なん？」


「俺？俺は大丈夫や、デートしてしっかり告白して
しっかり振られたんやもんある程度のやりきった感はあるし。
俺より神ちゃんより落ち込むはずなんは望や」

「だーかーら！なんでって聞いとんねん！笑」



「好きやったんやろ？Aのこと」



ここまで言われたらもう引き下がれへん



「…やっぱりバレとったんや。
1回Aをからかうためにみんな知っとるって
嘘ついたことあるけどまさかほんまにバレとるなんて」

「安心し、俺が知っとる限りでは
俺と神ちゃんしか気づいてへんよ」

「…んー、まあ大丈夫やで！そんな進展があったわけでもない」



「なんでそんな無理するん？」



「…それは」



「素直になれや、望」

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