ツンデレ上司 [黄] 番外編

一生のお願い ページ18

「明日は流星の応援か…」


眠れへんまま朝が来た



A起こさな、と寝室に入る



ただ朝から寝顔見たらほんまに我慢でけへん気がして
急遽フライパンとおたまを持つ


ガンガンという金属音で起きるも半目で不機嫌そうや



ソファーで寝たんがバレて慌ててAの寝相のせいにする


『襲ってまいそうやから』なんて絶対言えへんしな笑






その後姉ちゃんに昔無理やり連れて来られた服屋に引っ張って行くと
Aはあからさまに顔を引きつらせた



あいつ大学ん時もスカートとか履かへんたちやったっけ



せめてもの悪あがきで俺好みの洋服選んで試着室に押し込むと
しばらくして恥ずかしそうに出てきたA


「どう？」



思わず固まってもうた



「な、なんか言ってよ！そんな似合わないなら変え」

「いや…めっちゃええ！めっちゃ似合っとる！
あ、んー、ちょっと待って」



いつものポニーテールをほどいてサラサラの髪を整えると

ほのかに俺ん家のシャンプーの香り



俺が1番に見れたとはいえこの格好で流星にも会わさんといけへんのか…



また気持ちが重くなる前に店員さんを呼んだ






珍しく遅刻せえへんかった流星は案の定Aを見て目を丸くしとる



3人で洋食屋さんに向かって歩き始めると



「なぁ」

「ん？」


「今日のAちゃんめっちゃ可愛ない？」

「あーうん、せやな」



「ちょっとマジでやばいねんけど」


あからさまにニヤニヤする流星



「望」

「何？」



「一生のお願いやからさ…今日Aちゃんとデートさせてくれへん？」



「は！？」

「お願いっ！昼飯奢るから、な？」



「…別に俺に許可取ることでも」



「ええの？マジで！？うわマジかほんま、ちょ」

「…ほら、Aどんどん離れてってんで」



喜ぶ流星を見たくなくて急いで話題を変えた




その後は普通に飯食いながらヤケになって引き立て役までやって

店を出ると目配せしてくる流星



「あーっ！やべ！！」

「どうしたの小瀧？」

「あ、いや、その、予定あんの忘れてたわー！ごめん俺帰るわー！」



「そっか、じゃあここでお開き」


と言うAを急いで遮って2人で遊ぶよう指示して



「ほな来週なー！楽しんで、ちゃうわ、ごめんなー！またなー！」

「ちょっと小瀧！」



去り際にすがるように俺の名前を呼ぶAの声に立ち止まって



『やっぱ嘘やねん！』



なんて言いたくなってまう前に

その場から逃げた

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