同期以上友達未満 [赤] RETURNS

地雷 ページ30

「なぁそこら辺バスタオルあるー？」


夢の国事件以降も大毅は至って今まで通り
それがさらに私をイラつかせる



呑気な声に応え洗面所へのドアを開けると
大毅がお風呂場からびしょ濡れのまま上半身を突き出していて

普段だったら少しキュンとする所も今は全くせず



「…洗面所濡らさないで、滑るから」

「お、おぉ」


タオルだけ押し付けてキッチンへ戻る

一緒に寝るにも何をするにもあの光景が浮かび
イライラしてあまり話さなくなった




そしてとある朝

溜まりに溜まった不満は爆発することとなる




「日花里着替えた？せいそれシャツ表裏逆、大毅うるさい」


慌ただしい中大毅がふざけているから冷たくあしらうと



「んなカリカリすんなやぁ笑」


ちょいちょい、とこめかみを人差し指で突かれ
払いのけると流石にふざけるのをやめ真剣な顔で



「なぁお前さ、最近どしたん？」

「どうしたって何がよ」


「何かめっちゃ張り詰めてるっちゅーか、ずっとイライラしてへん？」

「別に、普段通りだけど」



「やっぱそのぉさ、子供らも不安なってまうし
もしまた1人で色々抱え込んどるならいつでも聞くで？」


自分のせいで人がイライラしているというのに
心配そうに私の顔を覗き込む顔がさらに腹立たしくて



「知らない、自分で考えて」

「うわそれ1番めんどいやつやん笑」


そんなことを言いながらハハハ、と笑うから
とうとう我慢出来なくなった



「大毅が原因だっていつになったら分かるの？」



「え俺？」

「もうとぼけないでいいって」



「ちょ、ほんまに分からへんねんけ…あ」


そこで不安そうにこっちを見る子供達に気づいた大毅



「せいお前自分の靴履けるやんな？日花里のん手伝えるか？」

「うん、でもパパたち」


「すぐ行くから玄関で待っとって？
後で昨日の続きのかけっこしよな笑」

「そうだった！行こひかり！」




2人が玄関に向かったのを確認しまたこっちに向き直る



「んで？俺が原因なん？何した？」


「何って…！」



それ言わせる！？今！？
ここで正直に言った所でどっちみち否定されるだけだし…

今にも溢れそうな怒りをほぼ抑えきれずにいると





「少なくとも今の俺には

Aが勝手にカリカリしてるようにしか見られへんねんけど」






ブチッ




私の中で確かにそんな音がした





.

大爆発→←スマホ依存と嫌な願い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す