同期以上友達未満 [赤] RETURNS

格好の餌食 ページ3

ちょうどドアが閉まって
シャツをパタパタしながら手で汗を拭う大毅



「ハァーきっつ！せいあんな足速いっけ？」

「最近保育園の年長組の中で1番らしいよ。
ねえ、日花里がどんどんませてくんだけど笑」


「あいつツッコミ一丁前に関西弁やねんけど笑
ほんま周りのどぎつい関西弁のオッサンら
どないしてくれんねん、照史とか濱ちゃんとか！」

「中間先輩と流星くんと神ちゃんは？笑」


「淳太は関西弁弱めやし流星と神ちゃんは関西弁でも
話し方やらかいやん！あの2人や問題は！あと無駄に圧強い小瀧！」


「ってか何よりおっさん臭強めの大毅の影響でしょ」

「…エッ？」





通勤ラッシュにもみくちゃにされようやく駅に到着

歩いていると背後から"んふ、えへ、っは"と
特徴的なくふくふ笑い



「…おはようううう！！！！」

「おはよ2人とも！笑」



「いやむしろ後からの神ちゃんの方がびっくりしたわ、
流星お前はもろバレや笑」

「ええっ！」

「笑い声で分かるもん笑」

「俺はもっとこっそり忍び寄れって言うたのに
流星が楽しくなって笑てまうからさぁ笑」


全く謝る気がないトーンでごめんごめん、と繰り返す流星くんに
俺あくまで付き添いやから！と主張する神ちゃん



「まだ極意を分かってへんな。
誰かええ獲物…お、おるおる笑 見とけよ流星」



大毅は辺りを見回し前方に格好の餌食を見つけ
ニマニマしながらそろそろと近づいて行く

視線の先には茶色い猫っ毛のスタイル抜群の男性



ちょうど大毅が真後ろに到着し
大きく両手を上げ彼の肩を叩こうとした瞬間



「分かってんで重岡」

「クッソもう少しやったのに！」



流星くんと神ちゃんと一緒にその人としげの元へ駆け寄る


「おはよ淳太！笑」

「今のは完全にしげの犯行で！笑」

「いつもすいません…」



「え、何？3人もグルなん？」


大毅に向けていた鬱陶しそうな目を私達にも向ける



「(名字)頼むからこいつを家でちゃんと躾してくれ、
せいくんと日花里ちゃんと同じでええから」

「まぁでもほら、重岡にいじられてる時の中間先輩面白いですし…」




「もうちょっと黙ってくれててもええやん！淳太おもんな！」

「お前みたいなやつがおもろいなら俺はおもんなくてもええわ！」


「結婚でけへんで」

「なぁ(名字)何でこれと結婚したん？」


「淳太と違ってモテるからな俺」

「はぁ俺もモテるし！モッテモテやし！
今年は絶対彼女作ったんねん！」



大毅がクハハ、と大爆笑するのを横目に
中間先輩の目は真剣そのものだった

賑やかな我が部→←朝のバタバタ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す