同期以上友達未満 [赤] RETURNS

公約 ページ47

「ただ？」

「これも大きくなってからやな」


「ぱぱけちー！」

「はい！ほれ！遊んで来い！」


きゅうり嫌いをまだ子供達に言ってない大毅は
慌てて2人を遊具へ追いやった



シートに横並びで座りはしゃぎ回る子供達を眺め
大毅を見るとカメラをいじっていた


「あ、結婚の時の公約？笑」

「離婚させられたら困るからな笑」



これには少し説明が必要か。

大毅にプロポーズされてから少し経ち
結婚報告の挨拶に行くことに。



重岡家は兵庫に行かねばならない所が山場で
あとはすんなり報告

お母様に『こんなんでええの？この子なぁ？』と
幼少期の大毅の恥ずかしエピソードを教わったくらい



問題は私の両親…と言っても本当は全く問題なしで
ただ大毅が無駄に緊張してただけだけど。



『エヘン。あのーこの度、えー…Aさんを頂けたらと…
…けっこん、させて頂けたらと思いまして…』


そうお伺いを立てた大毅に私の親はすぐには返事をしなかった
すると



『ほんまあの、幸せにしたいとおも、や、幸せにします！
もし子供が出来たらその時は写真めっちゃ撮るって
約束するんで！お願いします！』


あまりの勢いに思わず吹き出す両親



『あのね重岡くん』

『はいっ』


『私達はね、ただ娘の結婚を噛み締めていただけで
反対するつもりはないんだよ笑』

『は、へぇ』



『なのに必死に公約まで掲げてくれて
こんなに威勢のいい旦那さんなら娘も幸せ者だなぁ笑』

『あ、あぁ…』


アルバム楽しみにしているよ、と言われた大毅は
ほっと照れ笑いを浮かべていた




「どぉ？」


その言葉で現実に引き戻され慌てて覗き込むと
たくさんの楽しそうな子供達の写真



「結構いいね笑」

「やろ？」


「へぇー…あ」

「あ」


横からボタンを押し写真を流し見していると
私が笑っている写真



「いいよ私なんて笑」

「そぉか？結構盛れてんちゃう笑」


「そう？笑」

「お前のええとこ出てると思うけど」


「かなぁ…」

「おぉ。べっぴんさんや」



あまりに素直に褒めるから思わず大毅を見ると
横目でそれを確認した大毅は



「普段より、な！」


パーカーを脱ぎ捨て私に投げつけた



「痛っ！何でよ！」

「持っとけバーカ！走りたいねん！」


そう言い捨て子供達の元へ走って行く



「素直じゃないなぁ」


どうせ大毅のことだから知ってたんだ
私が少し寒くなってきたこと。



肩に羽織ると匂いと温もりが心地よくて
大毅に後ろから抱きしめられているみたいで

今度は私の方が恥ずかしくなった





end

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