恋愛成就エージェンシー [緑]

相関図 ページ7

「どうも、(名字)Aです。…あの、中どうぞ」

「お邪魔します」



「あ、スリッパスリッパ」


慌ててスリッパを取り出して神山さんを中へと案内する




キョロキョロしていた神山さんはリビングに入るなり立ち尽くした



「あー…なるほど」

「ん？」


「家の中、拝見してもいいですか」

「え、いいですけど」



だって掃除したもん。



神山さんはキッチン、トイレ、お風呂、ベッドルーム、靴箱まで確認し


「作戦を立てましょう。テーブルお借りします」





ダイニングテーブルに腰掛ける神山さんに
今日は準備してあったお茶を出すと

神山さんは紙とペンを取り出して何やら図を書き始めた




「まずここに(名字)さん、あなたがいます」

「はい」




「で、ここに今回のターゲットの藤井流星さん、彼女なし。

社内では有名な存在で、ファンクラブが出来るほど。
イケメンだけど天然で、ドジそうだけど長男気質なのが売り。
2人の関係は株式会社WESTの同じ部署の先輩後輩で

あなたは藤井さんに気がある」



「…すごい、そんな所まで」





「同じ部署に南ミミさん、彼氏なし。

こちらも美人で社内にファンは多く、自分もそれを自覚済み。
基本サバサバしていて効率主義なのに、恋愛には奥手なのが彼女の悩みの1つ。

幼少期は『みーんなのミィミちゃんです♡』と自己紹介していたのが黒歴史」



「うーわバレてる！あ、ミミから依頼来ました？彼女も昨日」


「他のお客様の情報はお教え出来ません」

「ですよねー…」





「…で、ここに小瀧望さん、彼女なし、こちらもファンクラブあり。

イケメンだけどお調子者という人類初の2.5枚目キャラを目指している。
南ミミさんとあなたと小瀧望さんは同期同士

南ミミさんは小瀧望さんに好意を抱いている」



「はい、合ってます」





「そして重岡大毅さん、彼女なし。

関西のおっちゃん臭がするコテコテの関西弁と
爽やかな笑顔のギャップが売りで、特技はウザ絡み。
ファンクラブとまではいかないが男女問わず好かれている。

同期の藤井流星さんとは高校の時からの知り合いで
つまり(名字)さんとは同じ部署の先輩後輩の関係、そして…


へぇ。あなたに好意を抱いている、と」




矢印とハートを付け加える神山さん




「…へ？いやいや聞いたことないです！」



「誤情報ですか？」

「多分…」




「…ほう。なら消します」


ペンの裏を使って消していく
フリクションペンだったのね。



「とりあえずこんなもんですかね」

「神山さんはいいんですか？」

毒→←恋愛エージェント

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す