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変わってない ページ39

「これ、水」


「…ありがと」




座り直した後、グラスに入った冷たい水を渡され

一気に飲み干して
ベッドの隣にあったテーブルにコツリと置く




しばらく沈黙が続くと

おもむろに照史くんが口を開いた




「あの…ショック、とか大丈夫?何もされてへん?」

「ずっと仲良い友達だったからちょっとショックだけど、大丈夫」




「無理してへん?」


「…うん、だいじょ」






大丈夫、と言い終わる前に



私は照史くんに包み込まれていた





「…え」






「淳太くんの代わりにはなれへんけどさ、俺でよかったら甘えて?
無理しやんでええし、泣いてええからさ。

今日のこと、全部忘れよ?」






やっぱりあの時帰ればよかった



私の中で何かが崩れ落ちる音がする






照史くんは何も変わってない






心地よい温もり


ガッチリとした身体つき


鼻を掠める海の香り






そして、



私のことをまだ小さな妹としてしか見てくれてない所。






その事実が悲しくて悲しくて


私は照史くんの腕の中で声を押し殺して泣いた






そんな私を照史くんはぎゅっと抱きしめて、
片手で背中をポンポン叩きながらもう片手で私の頭を撫でて。







照史くん。




いつになったら、大人の女性として見てもらえますか?









私はそのままベッドを貸してもらって
照史くんはリビングのソファーで寝ることになった



「シャワーは明日の朝にし?入って飯食ったら送ったるから」





そう言われて眠りについたけどなかなか寝付けず


朝も照史くんが起きる前に起きた






『昨日の夜はありがとう、助かりました。A』






そんなメモをテーブルの上に残し

ソファーの背もたれに顔を向けて寝る照史くんに
ずり落ちた毛布をかけ直してから


そっと家を出た






.

無事でよかった→←調子狂わせ



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みき(プロフ) - これからも、色々な素敵な作品を期待してます。 (2018年6月2日 19時) (レス) id: b4e2f9f02b (このIDを非表示/違反報告)
てでぃー(プロフ) - みきさん» 優しいお言葉ありがとうございます。色々な作品の予定もあるのでお時間頂いてしまうかもしれませんが、最低でも小話1つは落とせるように頑張らせていただきますね! (2018年6月2日 13時) (レス) id: 2940520ede (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - そんな、お気になさらないでください。この作品にこだわらず、他のも楽しませて頂きます。いつでも構わないので、出来たらよろしくお願いいたします。 (2018年6月2日 6時) (レス) id: b4e2f9f02b (このIDを非表示/違反報告)
てでぃー(プロフ) - みきさん» 少しお時間頂いて考えさせていただいてもいいですか?小話は後先考えず出せるのですが、短編集や長編となると心配性なのでそれなりの覚悟が必要で、今私に今作以上の物を書けるか不安で...アイデアを出してみて、吟味した上でまたご連絡させていただいてもいいですか? (2018年6月1日 15時) (レス) id: 2940520ede (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 続編として、新作で初めて頂くことは出来ないのでしょうか?出来れば、もっとこのストーリーを楽しみたいです。 (2018年6月1日 6時) (レス) id: b4e2f9f02b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てでぃー | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年4月12日 0時

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