オコサマじゃダメですか [橙]

2分の1卒業式 ページ35

「もうみんな成人したしさ、
2分の1卒業式ってことで今度4人で飲みに行こーや！」





そんな誘いがしげから来て集まったのは2分の1卒業式の日、


つまり大学2年生を終えた日。






「半分卒業おめでとうっ、乾杯！」


しげの音頭でグラスを合わせる





ガヤガヤしている大衆居酒屋の角席


こぢんまりとしたその4人席にぎゅうぎゅうに座り
みんなでビールを飲んだ





「それにしてもしげ、2分の1卒業式って何なん笑」

「やっぱ流星も思った？俺も気になっててん笑」




「んなん2分の1卒業式は2分の1卒業式やろ！」

「10歳の時に2分の1成人式やる小学校があるみたいなものね？笑」




「そう！それ！！さっすがAやわ分かっとる！」

「2年も友達やのにまだAちゃんに気ぃ遣わせるってどーなん笑」


「うっさいりゅーせーイケメンは黙っとけ！！」

「えーそれは困るな笑」





もうすでに酔っているんじゃないかというテンションで
ベラベラといつも以上に喋り倒すしげ


しげの餌食になる流星くん

それをニコニコ見守る神ちゃん






2分の1卒業式が何であれ


序盤は楽しく始まった…けど。








「あーあーあ、神ちゃんダウンや笑」

「これいつまでダウンしてるん？笑」




あまりお酒が強くないことが判明した神ちゃんは
2杯半飲んだ所で眠くなってしまって

おしぼりを目に当ててすでに爆睡中





しげはどうやら気持ち悪くなってしまう体質で
終盤の今はとっくのとうに烏龍茶に変更済み、

気持ち悪くなったことでテンションが常人くらいに収まった




私は人並みらしいから何となくふわふわして気持ちいいくらい


流星くんもそんなもんだと思う





「もう最後の1杯とかにしとくか？
烏龍茶の俺が言うのもアレやけど」




「そうだね、終電もあるし。何にしようかなー」


メニューをパラパラめくる
全然分からないからまたさっきと同じのでいいか、と思っていると





「甘いのいける？これ美味いで？」


流星くんがサラッと隣から勧めてくれたそれに決めた





そのお酒は確かに甘くて美味しくて
名前を覚えておこう、と心のメモをとった所でお開き


割り勘でお会計して店の外へ

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