明日からは ページ28
「A…」
「言わせてももらえなかったよ、好きって。
本当カッコ悪いなー私」
「A」
「もう…諦めよ。そうしよ！諦めちゃお！」
「A！」
大きめの声で神ちゃんに名前を呼ばれて口をつぐむと
神ちゃんは眉を少し下げて笑う
「今くらいええよ、笑わんでも。無理せんといて？」
「…え？笑 いやいや！私無理なんて」
「そんなA見ると俺まで辛いから。
そんな顔して笑わんといて。
今くらい泣いてもええんやで？」
神ちゃんはゆっくりと近づいて来て
私をすっぽりと包み込んだ
「ほら、誰も見てへんよ。今日ほんまによう頑張ったな、A」
神ちゃんの低い声や温もりが心地よくて
気づいたら嗚咽を漏らしながら泣いていた
そんな私をきつく、きつく抱きしめて
背中をゆっくりとリズムよく叩いてくれて。
「神ちゃん、わたし…」
「急に諦められる訳ないやんなぁ？ずーっと好きなんやもんなぁ？」
「…6歳の、頃から。別の人、さ、探そうとしてもむ、りで」
「うんうん。分かるで、その気持ち」
「わかるの？」
「あの…今言うのもアレかもしれへんけどさ」
神ちゃんが私から離れてしっかりと目を見据える
私の両肩は掴んだまま
「俺にしとかへん？」
「…へ？」
「まだあいつのこと好きでもええ。
でも俺は絶対Aのこと泣かさへんし、絶対笑わせたる。
ちょっとでもあいつのこと忘れさせたりたいねん。
これからもずっとAのそばにおって
Aのこと守りたいから。
好きやで、A。
俺と付き合ってくれへん？」
「そんなの、ずるいよ。
そんな中途半端でずるいこと神ちゃんに出来ない」
「ええねん、俺がそれでええねんから。
ゆっくりでもええ、ちょっとでもええから
Aが俺のこと好きになってくれたら俺は幸せや」
「…私、幸せ者だね。こんな人に好きになってもらえて」
お願いしてもいいですか？
そう聞くと、神ちゃんは満面の笑みで頷いた
もう1度、今度はさっきよりも
私の存在を確かめるように、愛を伝えるように腕を回されて。
「神ちゃん？」
「ん？」
「…今日で卒業するよ、私」
照史くんへのこの気持ちは今日、この場所に置いて行こう。
明日からは神ちゃんと新しい気持ちで始めるんだ。
いつまで経っても思い出してしまう
あの海の香りを上書きするように、
神ちゃんの胸もとに顔を埋め柔軟剤の香りを吸い込んだ
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みき(プロフ) - これからも、色々な素敵な作品を期待してます。 (2018年6月2日 19時) (
レス) id: b4e2f9f02b (このIDを非表示/違反報告)
てでぃー(プロフ) - みきさん» 優しいお言葉ありがとうございます。色々な作品の予定もあるのでお時間頂いてしまうかもしれませんが、最低でも小話1つは落とせるように頑張らせていただきますね！ (2018年6月2日 13時) (レス) id: 2940520ede (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - そんな、お気になさらないでください。この作品にこだわらず、他のも楽しませて頂きます。いつでも構わないので、出来たらよろしくお願いいたします。 (2018年6月2日 6時) (レス) id: b4e2f9f02b (このIDを非表示/違反報告)
てでぃー(プロフ) - みきさん» 少しお時間頂いて考えさせていただいてもいいですか？小話は後先考えず出せるのですが、短編集や長編となると心配性なのでそれなりの覚悟が必要で、今私に今作以上の物を書けるか不安で...アイデアを出してみて、吟味した上でまたご連絡させていただいてもいいですか？ (2018年6月1日 15時) (レス) id: 2940520ede (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 続編として、新作で初めて頂くことは出来ないのでしょうか？出来れば、もっとこのストーリーを楽しみたいです。 (2018年6月1日 6時) (レス) id: b4e2f9f02b (このIDを非表示/違反報告)
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