検索窓
今日:35 hit、昨日:2 hit、合計:334,054 hit

10分遅れ ページ17

「照史くん!」

「おぉこっちこっち!」



駅に走って行くと
照史くんがもう待っていて手を振ってくれた




「はぁっ、はぁっ、行こ!」

「いやいや一旦落ち着こ?な?笑」



「でも10分遅れちゃったし…」

「10分くらい全然ええってー笑
俺もさっき道迷ったからちょうどやったし!」




今まで20年以上住んでいた地元の駅までの道に迷う訳がない

それでも小さな嘘をついてくれた照史くん




「呼吸整った?」

「うん」


「よし、行こか?」

「うん!」





少し歩き始めると
今気づいたという風に私のことを見て声をあげる



「おっ制服やん!」

「そうそう、文化祭の準備から来たの」


「そうなん!?何かごめんなぁ」

「ううん私が来たかっただけだから」


「文化祭何やるん?」

「メイドカフェらしいよ笑」


「うわええな学生っぽいなぁー笑」

「やだよ何でこれになったのか今だに分かんない…」




「でもAちゃんの制服姿なんて春以来見てへんし
新鮮やわ。高校生かぁーすっかり大人やなー!
照史兄ちゃん泣いてまうわ笑」



「ちょっとやめてよ笑」





やめて、と言いながらも


"大人"という言葉が私に向けられたことが嬉しくて

一気に気分が良くなった








「あ、このお店いつも淳太くんが見る所!」

「うーわ俺は絶対入れへんような所やな笑」


「大丈夫だってーほらほら!」

「えーほんまに行くん?笑」



ほんまに言うてるー?なんて呆れ笑いしながらも
お店に入って来る照史くん






そのお店は淳太くんの行きつけ

本当は女の人向けであろう香水やバス用品のお店なんだけど
匂いが大好きな淳太くんは毎回わざわざ私を連れてまでここに来る




『なぁ頼むA付いて来て!お願い!』


普段はおねだりする方の私が唯一見られる
淳太くんのおねだり



ギュッと目を瞑り手を顔の前で合わせて
たまに片目を開けて私の様子を伺いながら口角を上げる



オッケーすると本当に嬉しそうに
ただでさえ大きな目をもっと大きく見開くそんな姿が

兄ながら可愛い、とか思っちゃう私も私なのかな…

淳太くんへのプレゼント→←妹力



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (346 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1074人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みき(プロフ) - これからも、色々な素敵な作品を期待してます。 (2018年6月2日 19時) (レス) id: b4e2f9f02b (このIDを非表示/違反報告)
てでぃー(プロフ) - みきさん» 優しいお言葉ありがとうございます。色々な作品の予定もあるのでお時間頂いてしまうかもしれませんが、最低でも小話1つは落とせるように頑張らせていただきますね! (2018年6月2日 13時) (レス) id: 2940520ede (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - そんな、お気になさらないでください。この作品にこだわらず、他のも楽しませて頂きます。いつでも構わないので、出来たらよろしくお願いいたします。 (2018年6月2日 6時) (レス) id: b4e2f9f02b (このIDを非表示/違反報告)
てでぃー(プロフ) - みきさん» 少しお時間頂いて考えさせていただいてもいいですか?小話は後先考えず出せるのですが、短編集や長編となると心配性なのでそれなりの覚悟が必要で、今私に今作以上の物を書けるか不安で...アイデアを出してみて、吟味した上でまたご連絡させていただいてもいいですか? (2018年6月1日 15時) (レス) id: 2940520ede (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 続編として、新作で初めて頂くことは出来ないのでしょうか?出来れば、もっとこのストーリーを楽しみたいです。 (2018年6月1日 6時) (レス) id: b4e2f9f02b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:てでぃー | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年4月12日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。