ベッドタイムストーリー [JW] 短編集

Yellow Night ページ6

「ねえAー！」

「いいじゃんたまには！」

「行こうよ！」


「えー笑」



疲れて帰宅した夜

部屋着に着替えソファーでちょっとお酒を飲みながら
雑誌を読んでいた私の家に突如上がり込んで来たのは親友3人



「何で急に私の家に来たのかと思ったら笑」

「行こう！」


「どこ？そのパーティー」

「ここから車で何十分かの所」


「私お酒飲んじゃった」

「4人でタクシー割り勘するから！」


「もう部屋着だしメイク落としちゃったし」

「何とかする！」


「…てか私宛てに来た招待状じゃ」

「もうA！」



「あっねえページ！」


ついに雑誌を奪い取られ3人に囲まれた



「腰重すぎ！」

「招待状ある、住所分かる、誰でも参加OK！
行くに決まってるでしょ！」

「ってかあんたが彼氏出来ないいい人見つからないって言うから行こうって！」


「でも私」



「はいはい出ましたAお得意『自然に恋に落ちたい』理論！」

「いや理論って笑」


「パーティーでも自然に恋に落ちることは出来るよ？
偶然すれ違った人が運命の人かもしれないじゃん！」

「少女漫画じゃないんだから笑」



「ゴチャゴチャうるさいなーはいこれドレス！」

「え、ちょ、人のクローゼット漁ったの？」



「親友でよかったー」

「はい前向いてメイクやるよー」

「頭動かさないで！」


「ねえちょっとまだいいって言ってない！」



親友なのをいいことにお人形遊びされた私


「ねえ…」



可愛いと思ったけど1回も着てないビビッドな黄色のドレス
華奢なゴールドのアクセサリー

メイクもいつもより濃いめで
普段はポニーテールの髪の毛は綺麗に梳かして下ろしてある



「…派手すぎない？」


「いいじゃん！」

「似合ってる！」

「これくらいがちょうどいいって！
会場でいい印象ならみんなに名前が知れ渡ってすぐに有名人、彼氏なんてすぐだよ！」



そう丸め込まれて会場へ





「何ここ…」


パーティー会場は見たこともないほど眩しい光で照らされていて鮮やかで華々しい
怖気付き回れ右しようとすると3人に止められる



「あの」

「だーめ」


「何でも奢るから…」



「いい？A」

「オーディションされる気持ちで！」

「見つかる準備が出来てるなら絶対誰かが見つけてくれるから！頑張って」



「えっちょっと！」


3人は私を置いて奥へ行ってしまった



どうしよう

まあ来ちゃったからには楽しむしかないか…



私の運命の誰かさん、見つかりますように。


心の中でお祈りしてから導かれるように奥へ進んだ

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