ベッドタイムストーリー [JW] 短編集

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本気で言ってる？

ドスドス降りて行くとすでにテーブルで座っているそいつ



「うわ美味そ！なぁおばちゃんもう食ってええ！？」

「ねえ何でいるの」




「A！大毅くんにそんな口利かない！」

「ええねんもう慣れっこやから笑」


「ほら、コップ出して！」

「ほれほれ出せ出せ」




お母さんはしげにとことん甘い



いつどんな時でも家に上げちゃうし
夜ご飯が出来てない時はしげにリクエストを聞くほど


私のリクエスト通ったことないのに！





渋々キッチン棚に向かってコップを取ろうとすると
私の後ろから手が伸びて来て取ろうとしていたコップを抜き取られた



「ちょっと！」

「やーいチビ」


「幼稚園児か」

「その頃は言わんかった俺ニコニコ天使ちゃんやったから！ま、今もそぉやけど！」



歯をむき出しにしていつものあそこに窪みを作るしげは
勝手に冷蔵庫を漁って麦茶を取り出す




私はチビではないけど背を越されたのっていつだったかな…


今のしげの背中は筋肉がしっかりついて大きくて広くて男の人って感じ





「やっば！おばちゃんこれめっちゃ美味いねんけど！」


カレーを大きな口でバクバク食べて
何回もおかわりする姿は昔から変わってないけどね。

思わずクスッと笑った







「ごちそうさま！あーよぉ食ったわぁー」


お腹をさすったしげは立ち上がり急に走り始めた



「えっどこ行くの！ねえ！私の部屋だめ！」


焦る私をよそに楽しそうに階段を駆け上がるしげ




私が上がった頃には部屋への扉のドアノブに手をかけていた



「ええ？」

「いい訳ないでしょ汚いから」


「自分の汚いって大抵うそやん。えいっ！」

「あっ！」


「ほらやっぱ綺麗やーん…あ」

「あ…ごめん」





確かにぐちゃぐちゃではなかったけど

本棚の上にお母さんが畳んだ洗濯物が置いてあって
1番上は下着



慌てて片付けに行く





こういう時


『へぇーまな板のくせにんなんするんやな！』

とか言いそうだけど



実際は私が片付け終わるまで座ることもなくずっとモジモジしていた






「で？何しに来たの？」

「ほんまは漫画読もうと思ってんけど前来た時全部読んでもうたからー」


「新巻あるけど」

「読んだ」


「嘘最後いつ来たの」

「1週間前？自分のこと待ってよーと思ってんけど飽きて帰った」




聞いてない。

お母さんめ…




「じゃあ何しに来たの」

「ドーン！」




しげが出したのはDVDプレイヤーといくつかのDVD


それも…全部ホラー？

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