滑り込めホームルーム ページ1
「やっば！」
鞄を肩からずれないようにしっかり押さえて朝から全力疾走
お母さんももうちょっと早く起こしてくれても良くない！？
門がもうすぐ閉まるという隙間から素早く校内に入ってラストスパート
階段が最終関門だけど毎朝こんなことをやっているから前ほどバテない
ギリギリ教室に滑り込んだ瞬間に先生が入って来た
そのまま廊下側から2番目の列の自分の席へ
「間に合ったぁー！」
「自分ほんま毎日ギリギリすぎひん？」
鼻で笑うようにからかって来たのは隣の席の中間淳太
廊下側は寒いのかしっかりブレザーのボタンを閉めてある
「10分早よ起きりゃええ話やろ」
「朝の10分は大きいよ？」
「知らんわんなん」
「それにほら！間に合ってるし！」
「ほぼ遅刻やろ…」
呆れ返った淳太の言葉は聞こえないふり。
「聞いてるんか。おい」
「痛っ！別にデコピンしなくても良くない！？」
「腕ピンや」
「つまんない5点。はいはいはい淳太はすごいねー
毎朝ちゃーんと起きれるし頭もいい！あと足りないものは何だろう？そうだ彼女だ！」
「うっさいねん自分やって彼氏おらへんくせに！」
「いいもん候補はいるし！」
「はぁ…ほんま好きやなあいつのこと」
「あっちょうど来た！ほら淳太しーっ！」
「はいはい」
廊下側と窓側の席どっちがいいか聞かれたら
窓側を選ぶ人が多いと思う
でも私は違う
右利きが大半の先生たちからすれば廊下側は死角っていうのもあるけど
それより何よりあの人のことを見れるから。
「きゃー来た！」
「今日もカッコいい！」
「うわ今こっち見た！」
ざわつく廊下を彼が颯爽と通る中
男女構わずみんな口々に彼に声をかけ彼も人当たりよく言葉を返す
「おはよう小瀧くん！♡」
「おはよ！」
「よぉ小瀧！」
「はよー」
「先輩おはざっす！」
「おぉ朝から元気やなー笑」
そしてようやくこの教室の前を通る小瀧くん
じーっと見つめているとふいに目があった
そのままニコッと微笑まれる
何が起こったか分からないまま彼はいなくなった
「ねえ淳太今の見た！？こっち見たよ！？」
「へー」
「ちょっと興味持ってよ！」
「はいはいすごいなー」
「運動音痴バラしてやる」
「それはほんまに勘弁」
みんなもう知ってると思うけど。
「はぁ…何であんなにカッコいいんだろ…」
「小瀧？でもあいつチャラない？」
「小瀧くんなら許せる」
「とんだ盲目やな」
「ねえ淳太ぁー何とかしてよー」
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てでぃー(プロフ) - すいさん» 素敵なコメントありがとうございます。すいさんの影響で久々に全編読み返しちゃいました！笑 私も無類の当て馬好きで...淳太くんは当たって砕けるより、頭がいいから現実は分かっているけどでも女の子といたい！の方が似合う気がしまして！ご共感頂けて嬉しいです！ (2021年4月14日 0時) (
レス) id: a00ea9e1e8 (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - 最後の淳太のシーンを見ると今までのが全部切なく見えるというか、気持ちを隠そうとしてるのか諦めてるのかはわかんないけど、当て馬キャラが凄い好きでとても魅力を感じるタイプだからこの話の淳太くんがめちゃめちゃ好きです。可哀想とも違うなんか別の感情ですね。 (2021年4月5日 9時) (レス) id: a243a05fb8 (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - 私のリクに答えて下さったのクリスマスの短編集のコメで今さっき気付いて、何のリクしたか忘れちゃって笑コメ欄必死に探していたら、お返事返してなかったの発見して…すみません!遅くなりまして!名前隠してTwitterで紹介だなんて!嬉し過ぎて!今から探しに行ってきます! (2018年12月18日 3時) (レス) id: 9b260c34a2 (このIDを非表示/違反報告)
てでぃー(プロフ) - Yukoさん» いやいや、そんなお気になさらないでください！むしろ読みたいとのお声を折角頂けたのにご希望に添えず申し訳ありません...読み返し甲斐のある作品か分かりませんが嬉しいです！また何か発見があれば私にも教えてください！笑 (2018年5月24日 10時) (レス) id: 2940520ede (このIDを非表示/違反報告)
Yuko(プロフ) - てでぃーさんの作風が大好きで、つい無理なお願いをしてしまいました。ごめんなさい。これからも応援しています。作品は何度も読み返して、その度にキュンキュンさせていただいてます。 (2018年5月24日 8時) (レス) id: 326d509d03 (このIDを非表示/違反報告)
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