俺を、好きになって。 (ページ5)

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Jongin side ページ5

――気が付けば身体が動いていた、などとよく聞くけれど。

「あの…こんにちは。覚えてますか？」

本当に、、気が付けば話しかけていて

「あ、はい」

……こんな時は、どうすればいいのだろうか。

「…よかったら、隣どうぞ」

少しだけ癖のある発音。

とりあえず、隣に座ったところで

「私、留学中で
まだ韓国語上手じゃないので、その、敬語じゃなくていいです」

彼女から、そう告げられた。

「うん」

……チャニョルヒョンだったらこんな時どうするんだろう、と
ふと頭に浮かぶけれど正解は出てこない。

人見知りな自分を少しだけ恨みつつ

「大丈夫、気にならない」

――なんとか発したそのセリフも、間があきすぎたせいか

彼女の顔にはクエスチョンマークが浮かんでいる。

「韓国語、上手だと思う」
「ふふ、ありがとうございます」

彼女の顔が少し綻び、思わずこちらも顔が緩む。

可愛い、という感想は心にしまい込み

「もしかして、日本人？」

そう言うと、少しだけ警戒心を覗かせた彼女の表情に

――ああ、もう。
自分への苛立ちが募るばかり。