打ち逃したピリオド ページ1
先日のフェスで優勝した辻軍団。その打ち上げをするとのことで、森ノ宮でのライブを終えて急いで難波へとやって来た。
辻「お疲れさん」
「あ！辻さん、お疲れ様です！」
辻「A何飲む？最初ビールでいい？」
「あれ、えっと……他の皆さんは……？」
辻「何言うてんねん。Aしか呼んでへんで」
「えっ？！」
驚いて思わず声を上げた。
……え、何？私しか呼んでないって言うた？……打ち上げなのに？！
頭の中で自問自答を繰り返す私の目の前で、辻さんは落ち着いた様子でベルを鳴らし店員さんを呼んだ。そのうち生ビールが運ばれてきて、あっという間に乾杯の準備が整ってしまう。
辻「じゃ、とりあえず乾杯しよか」
「あ、はい、」
辻「Aが音頭取ってくれへん？自分で言うのも何やし」
「あー、それもそうですね。……えっと……辻軍団の優勝を祝して……かんぱーい！」
カチャンと互いのビールジョッキが音を立てる。
……なんで、私だけおんねん。
「私、打ち上げって聞いてたんで誰かいると思ってたんですけど……」
辻「あ、そうなん？」
「例えば滝音とかビスブラとか……それなのに私しかいなくてちょっとびっくりというか……」
辻「誰か呼ぶなんて言うた記憶無いけどなぁ」
「……！」
メニュー表を眺めながら呟く辻さんに、ハッとさせられる。
……ほんまや。そんなん、最初から言われて無いやん。
サシで飲むとも言われて無かったけど……“打ち上げ”って聞いて勝手に私が勘違いしたんや。……恥ずかし。
辻「Aさ、」
「……はい？」
辻「最近、俺のこと避けてない？」
「えっ」
ひと口ビールを飲んだ後、ジョッキを置きながら私を見据える辻さん。その視線にしっかりと捕らわれてしまった私は、乾いたような笑みを浮かべるしか無かった。
……実は、図星だったのだ。完全に避けていたわけじゃないから、少し語弊はあるけど。
楽屋だったりライブだったり、顔を合わせば普通に会話はしていた。それはほんまに、今まで通り何の変わりもなく。ただ、“ふたりきり”になるのは意図的に避けていたのだ。ライブ合間にご飯に行く流れになったら近くにいたさすけを誘ったりして、なるべく自然に、複数になるようにしてたのだけど。
……なんでバレた？そんな私、分かり易い？
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桃餅(プロフ) - 鈴さん» コメントありがとうございます！恐れ多すぎるお言葉、嬉しすぎて何度も読み返しました(;ω;)芸人さんのキャラは勿論、主人公のことにも触れていただき大変幸せです…！更新も遅く、完結までお時間がかかるかと思いますが、引き続きよろしくお願いします◎ (2023年2月11日 18時) (
レス) id: dee8621d9c (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - いつかくる完結の日までワクワクが止まりません！！ (2023年2月8日 23時) (レス) id: 2fbfb927f5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - リアルな描写と主人公の人間味のある性格…こんな素晴らしい作品があるんでしょうか…感動しています。遅ばせながら作品を全部読ませていただきました。主人公に甘々なDさんとメンヘラ気味なさかよー、さすけのキャラが特に好きです！次の更新を楽しみにしています！ (2023年2月8日 23時) (レス) id: 2fbfb927f5 (このIDを非表示/違反報告)
桃餅(プロフ) - 名無さん» コメントありがとうございます！Dさん好きすぎて私の妄想多めで好き放題書かせてもらってるのですが(汗)そう言っていただけてとても安心しました><これからもDさんには活躍していただくので、引き続き読んでいただけると幸せです◎よろしくお願いします！ (2023年1月9日 21時) (レス) id: dee8621d9c (このIDを非表示/違反報告)
名無 - Dさんのお話が大好きです!!!図々しいのは承知の上ですが、これからもたくさんDさんのお話を書いてくださると嬉しいです!!(^^) (2023年1月8日 0時) (レス) id: b30af06092 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桃餅 | 作成日時：2022年10月7日 0時
