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辻「ん？どした？」
「“どした？”じゃなくて！……こんなん……集中できないんですけど……！」
辻「……ドキドキする？」
「……あー！もう！顔覗かんといてください……！さっきからずっと近いんですよ……！」
グイッと自らの手を伸ばし、無理矢理辻さんと距離を取る。
距離を取るとは言え、その距離は間違いなくいつもよりずっと近い。私の伸ばした手の分しか離れていないから。どのみち心臓に悪い事に変わりはない。
焦る私とは対照的に、辻さんは胡坐をかいた状態で頬杖をつきながら楽しそうに笑っている。
辻さんとの距離を測りながら、出方を伺っている時だった。
壁の向こうから堂前さんがひょっこり顔を出す。
堂前さんは、私達の距離感に一瞬驚いた様子を見せたけど、すぐにいつもの表情に戻り、ゆっくりと歩み寄って来た。
堂前「……もしかしてお取込み中やった？」
辻「そうっすね……今は……」
「ぜんっぜん！取り込んでないです！ちょうど一区切りついたところです！」
堂前「……ほんま？辻借りてもいい？」
「どうぞどうぞ！遠慮なく連れてってください！」
辻「……まるで今すぐにでもどっか行けみたいな言い方やな」
「そんなことないですよ！先輩がお呼びになられているので当然のことをしてるだけです」
辻「……ふーん」
このまま辻さんと一緒にいても練習にならない気がする。そう思った私は、辻さんの背中を押して無理矢理この部屋から撤退させた。
本番まで残り数時間。まじで時間ないやん。
いよいよほんまにやばい。
ライブが始まってからはあっという間だった。ごくごくメンバー以外にも今日は肥後さんや中谷、紅しょうがも出演していて気付けば舞台袖でお客さんと同じように楽しんでいた。そりゃあもう、自分の出番があることを忘れるほどに。
アンコールの時間となり、舞台上の阪本に呼び出され、今更ながらじわじわとやって来る緊張感。ガチガチになりながらも舞台に上がれば温かい拍手で迎えられ、挨拶もそこそこにポイさんのカウントで演奏が始まる。
誰かの前で演奏をするのはきっと学祭のステージぶりで、最初の一音がやけに緊張したけど、いつのまにかメンバーとアイコンタクトをする余裕もできた。
何より、隣でギターを弾く辻さんの優しい視線に助けられたのは言うまでもない。そのおかげで、ソロも無事成功した。
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桃餅(プロフ) - 鈴さん» コメントありがとうございます！恐れ多すぎるお言葉、嬉しすぎて何度も読み返しました(;ω;)芸人さんのキャラは勿論、主人公のことにも触れていただき大変幸せです…！更新も遅く、完結までお時間がかかるかと思いますが、引き続きよろしくお願いします◎ (2023年2月11日 18時) (
レス) id: dee8621d9c (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - いつかくる完結の日までワクワクが止まりません！！ (2023年2月8日 23時) (レス) id: 2fbfb927f5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - リアルな描写と主人公の人間味のある性格…こんな素晴らしい作品があるんでしょうか…感動しています。遅ばせながら作品を全部読ませていただきました。主人公に甘々なDさんとメンヘラ気味なさかよー、さすけのキャラが特に好きです！次の更新を楽しみにしています！ (2023年2月8日 23時) (レス) id: 2fbfb927f5 (このIDを非表示/違反報告)
桃餅(プロフ) - 名無さん» コメントありがとうございます！Dさん好きすぎて私の妄想多めで好き放題書かせてもらってるのですが(汗)そう言っていただけてとても安心しました><これからもDさんには活躍していただくので、引き続き読んでいただけると幸せです◎よろしくお願いします！ (2023年1月9日 21時) (レス) id: dee8621d9c (このIDを非表示/違反報告)
名無 - Dさんのお話が大好きです!!!図々しいのは承知の上ですが、これからもたくさんDさんのお話を書いてくださると嬉しいです!!(^^) (2023年1月8日 0時) (レス) id: b30af06092 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桃餅 | 作成日時：2022年10月7日 0時
