One step Two step (ページ9)

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Story.9 ページ9

私の小さなミスで
上司にこっぴどく怒られた。

給湯室で熱いお湯が手にかかった。

通勤中、当たりはしなかったものの
鳩の糞が目の前に落ちた。

『はぁ………。』

こんな溜め息しか出ない1日は久しぶりだと思う。

加えて今日はジスくんが研修で隣の席に居ない。

ジスくんが居ないと
こんなに退屈な気持ちになるんだ…。

…なんか好きみたいじゃん。

「ねえ！聞いてる？」

ソクミンに言われて初めて
隣のジスくんの席に座ってたことを知る。

「ほら、この資料Aに見てもらいたいってこの前言ったじゃん！」

『あっ、そうだった。ごめんごめん。』

上司が私のセンスを信じてくれているようで

「何かあったらあの子に教えてもらいなさい！」

とか何とか言って度々ソクミンを始め
私よりも先輩の人達すら見せに来る。

とてもありがたいことなんだけど…
たまに自信が無くなるのは事実で。

ジスくんに教えている時もそうだけど、
私なんかに出来るのかなって気持ちになる。

『これ、ここもう少し下線とか入れたらどうかな？色合いはとても見やすくて良いと思う。』

「わ〜やっぱりAに聞いて良かった！ありがと！」

その後(「はいこれ！」)って飴を5個くれた。

…私は子供か。

と思っていたら携帯が振動した。

ジスくんAちゃん!これから帰るんだけどAちゃんまだ会社にいる?

Aうん!今日ちょっと残る予定だからまだ居るよ!

今日はもう会えないと思っていたジスくん

ただ会えると思うとなんで
こんなに嬉しくなるのかな。

ジスくん良かった!Aちゃんにあげたいものがあるんだ!待っててね。

…私にあげたいもの？

とにかく今日みたいな落ち込んだ日には
ジスくんの顔が見たかった。