One step Two step (ページ8)

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Story.8 ページ8

ジスくんの優しすぎるお願いにより
最寄り駅まで送ってもらった。

『ジスくん、わざわざありがとう』

「ううん、こんな時間まで付き合わせちゃって逆にごめんね。ここから家まではすぐ？」

『えっと、5分くらいかな』

一瞬ジスくんがものすごく不安な顔をした。

それと同時にうーんと考え込んで
ジスくんが一言。

「…本当は家まで送りたいけど、それじゃあAちゃんが気を遣うし…だから連絡先教えて。電話しながら帰ったら僕も安心。」

…どこまで紳士的な人なんだろう。

確かにもう夜遅いし、
変な人に会ったこともあるから
ジスくんの言葉はありがたかった。

『ジスくんありがとう』

連絡先を交換したらジスくんのアイコンが
手書きのうさぎらしきイラストでちょっと笑った。

バイバイをしてから
ジスくんはすぐに電話を掛けてくれた

"「ちゃんと大音量のスピーカーにしてね！」"

"『あっ、お家着きました』"

"「ドアちゃんと鍵閉めた？」"

"『うん、大丈夫。今日は本当にありがとうね。その…すごく楽しかった。』"

そう…なんだか私、
最近ずっと仕事のことしか考えて無かったから
こうして誰かとご飯を食べたり
楽しくお喋りすること自体が久しぶりだった。

ジスくん、とても良い人だなぁ。

…彼のことをもっと知りたい。