One step Two step (ページ7)

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Story.7 ページ7

「Aちゃん寒くない？大丈夫？」

ご飯を食べてお店を出た頃には
さっきよりもずっと寒くなっていて。

ちょっと息を吐いた一瞬を見ていたのかな。

『少し寒い気もするけど…大丈夫だよ』

って言ったんだけど…

そっと優しく私の肩に掛けられた
ジスくんのジャケット

ジスくんは私よりも全然背が高いから
ジャケットも大きいしこれなら全く寒くない。

でもこれじゃあワイシャツ1枚のジくんが寒い。

『えっ！そんな！私本当に大丈夫だよ』

「良いの、僕がそうしたくてしてるだけだから。女の子は身体冷やしちゃだめでしょ？」

ジスくんにまじまじと見つめられて
瞳の中に吸い込まれるかと思った…。

「家どの辺り？送っていくよ」

ジャケットも借してくれて
終いには家まで送るというジスくん。

どこまで気遣ってくれるの？

…それも私なんかの為に。

「そんな困ったような顔しないで(笑)じゃあ最寄りの駅まで。それだったら良い？」

数日ジスくんと関わっていたら
この言葉はとてもジスくんらしいと思った。

無理強いはしないけど配慮を忘れない、
ジスくんはそういう素敵な人だ。