One step Two step (ページ5)

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Story.5 ページ5

その日からジスくんは熱心に私の教えること
1つ1つを着実に覚えていってくれた。

おかげで部長から

「ホン君は教え方の上手い指導係が居て良かったなぁ！」

なんて言ってもらえた。

でもやっぱり人に教える分、
自分の仕事が終わらずに残業することも増えた。

「ごめんね、僕のせいでいつも帰るの遅くなっちゃってるよね」

ジスくんは申し訳無さそうに言う。

『ううん。私が遅いだけだから…。ジスくんはすごく熱心に話を聞いてくれるし、私も教え甲斐があるよ！』

にっこり笑って「ありがと」って言いながら
デスクにいちごオーレを置いて行ってくれた。

時計が20時を回った頃、
ようやく一段落して荷物をまとめる。

ふう。と息をついてエレベーターに向かった。

「Aちゃん」

『……え？帰ったんじゃなかったの？！』

ジスくんずっと待っててくれたのかな…。

「ごはん、一緒に食べよ。お腹空いたでしょ？」

確かに私の空腹はピークだった。