One step Two step (ページ31)

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Story.31 ページ31

ジスのおかげで私の人生で
1番幸せな誕生日を過ごした。

ジスがこんなに甘くて
ロマンチックな人だってこと、

今は私しか知らない。

そんなジス、会社では最近
独占欲むき出しである。

男性社員と話していれば
手を引かれて連れて行かれるし

もう仕事なんて出来ないことは無いはずなのに
何かと"「A！」"って呼ばれる。

実際それが嫌かと聞かれると
嫌なことなんてなくて。

ジスって可愛いなって思う。

今だってジスが課長から頼まれた
資料探しを2人でやっている。

ちょっと広めの資料庫の中にジスと2人。

会社に居る時の緊張感とは
ちょっと違って気が緩む。

それはジスも同じようで
心なしか表情がふにゃっとしている。

『ねえジス、ちゃんと探してる？』

さっきからこっちばかり見て
手が止まっているジスに促す。

それでも私の問いに答えずに
こっちに視線を合わせたまま。

『ねえ、聞いてる……』

次の瞬間ジスはぐっと近付いて
私の頭に手を添えてそっとキスをした。

『ちょ、ちょっと…！』

突然のことに慌てていると
本人はしてやったりの様子。

…やられた。

「ちょっと疲れちゃったから充電したいなって思って。可愛い顔見てたらつい。」

平気な顔してそんなこと言うんだから…。

私の心臓はどくどくとどんどん持たなくなる。

「なに、それはもっかいって顔？」

"「しょうがないなあ」"

って言いながら

今度は顎を持ち上げられてキス。

何から何までこの人は甘い。