One step Two step (ページ26)

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Story.26(ジスside) ページ26

最近以前に増してAは綺麗になったと思う。

Aに完全に夢中な僕だから
何をしても可愛いし、愛おしい気持ちになる。

…でもそんな僕も不安になる時がある。

ますます綺麗になったことで
変な男が寄ってくるんじゃないか…

誰かから言い寄られても優しいAは
ちゃんと断れないんじゃないか…

他のことなら何でも出来る自信があるのに。

Aのこととなると全然ダメで。

今だってほら、

デレデレした上司がAに話しかけてる。

その可愛い子僕の彼女なんですけど！

って声を大にしたいけど、
そういう訳にもいかない。

もう格好悪いところは見せたくないのになあ。

こんなに格好悪くて焦ってばかりいる僕だけど
好きでいてくれる？

そう思った時には
Aのイスに手が伸びていた。

デレデレ変態上司と話している
Aのイスに手をかけてグイッと引き寄せる。

「A〜ここ、わからないから教えて？」

『う、うん…どこ？』

Aは驚いて
目をま〜るくしてたけど、そういうこと。

デレデレ変態上司も
僕の圧に気付いたのか潔く退散した。

もうさっさとその頭ハゲ散らかしてしまえ。

『ねえ…ジス急にどうしたの？』

「なにが？」

何でもないフリ。

『急にイス引き寄せられたから…びっくりして…』

ごめんね

今の僕には自信がなくて
こんな方法しか思いつかないんだ。

『先輩と話してたから…？』

これバレたらバレたで
格好悪さ全開で恥ずかしいじゃん…

って自分の行動を後悔した。

「まあ…ちょっと嫉妬っていうか…」

僕の白状を聞いて、
ちょっとくすくすって笑うからちらっと目をやれば

『ふふ、でもね、先輩の話切り上げられなくて困ってたし、私のイス引き寄せた時のジスすごく格好良かった』

…そんなこと言うからまた僕の顔は赤くなるんだ。