One step Two step (ページ12)

今日:6 hit、昨日:26 hit、合計:28,635 hit

Story.12 ページ12

ジスくんのおかげで
溜まっていたものがすっきりした気分だった。

「じゃあ…はいこれ。Aちゃん好きそうだなって思ったんだけど…どうかな？」

可愛らしい箱に入った何か。

ぱかって開けるとピンクゴールドの
ブレスレットがキラキラ光っていた。

でもこれをなんで私にくれるんだろう…。

誕生日でも無いのに。

『こんな素敵なもの…もらっちゃって良いの？』

こういうのってなんて言うか…
まるで彼女にでもあげるようなものでしょ？

「ただAちゃんに似合うと思って。たまたま通りかかったお店のショーウィンドウにあったから。あげたいなって。それだけだよ。」

…ジスくんからこんな素敵なものを
もらえるなんて嬉しいに決まってる。

『ありがとうジスくん。』

そう言った私に優しく微笑んで
箱からスッとブレスレットを取り出した。

「やっぱり似合ってる。この時計にも合ってるよ。」

ジスくんが直々につけてくれるから
ちょっとドキドキして息が出来なかった。

しかも私がいつもしてる時計…
見ててくれてたのかな。

そこまで気を遣って
プレゼントしてくれたんだ…。

…こんなのもう、

認めるしか無い。

私に向けてくれる
優しい微笑みも

私の名前を呼ぶ
優しい声も

全部独私が独り占めしたい。