One step Two step (ページ11)

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Story.11(ジスside) ページ11

僕の指導係Aちゃん。

君はまったく覚えていないだろうなぁ。

入社式の時、ソクミンと座った席の逆隣に君がいた。

ちょっと眠たそうにしながらも
一生懸命話を聞いていたこと。

その後会社内で何度か見かけていたこと。

気になってスニョンに聞いても
(「朝礼のダンスがあまり上手くない子」)
しか言わないし。

ある時ソクミンが言ったんだ。

「Aって子が今隣の席なんだけどさ〜」

「あの子どこかで見たことあると思ったら入社式の時ジスの隣に座ってた子だったんだよね！僕達が近くに座ってたことまったく知らなかったみたいだけど」

こんなことってあるのか。

思ったより世間は狭かった。

その日からソクミンに
Aちゃんの話を色々聞いてみた。

もうこの時点で気付いてると思うけど、
僕は完全にAちゃんに惹かれていた。

なんとなく目に入った君、
なんとなく気になった君、
思ったより近くに居た君。

会社内で見かける度に
バタバタと動いていて、忙しない感じだった。

その真剣な眼差しと、
何か失敗したのか給湯室で落胆する君を見て
僕は思った。

この子に何かあったら僕が守りたい。

僕が元気づけてあげたい。

名前しか知らないし話したことも無いのに。

Aちゃんが聞いたら笑うかな？

君を知り、
一歩二歩と少しずつ近付きたくなった理由。