ANGEL・KISS / Hokuto.M

・ ページ19

夏休みは意外と長い。




説明会でもらったインターンの申し込み用紙。締切は8月末だと書いてあったが、7月中にはポストに投函した。



実際にインターンがあるのは冬らしい。れインターンの詳細は後日郵送されるようだ。






リビングで自分の手元にある様々な企業のパンフレットを整理していた。一番上にあった株式会社SIX’Sのパンフレットを目にした父。






「ここの会社は評判がいいんだよな。社長も若くてやり手だし、社員の離職率も低いって言ってたな」





そう言っていた。

自分のことではないけれど、褒められると嬉しさを感じた。
息子は正に、この会社に行きたいなんて思っているとは、まだ言えなかったけれど。







・








桃瀬さんのことは置いておいて、素直に第一志望だと思っている。



あれからいろんな分野･企業を調べたけれど、食に携わる企業が自分には合っているのではないかと感じた。食べることも料理も、幸い好きな方だし、興味は十分にある。





人の内面を見てくれる、という桃瀬さんの言葉を信じるならば、そんな企業で俺も働きたい。自分のことを大層な人格者だとは更々思っていないが、俺のようなどこにもいそうな平凡な学生でも、どこか可能性を見出して選んでくれるのであれば、そんなに有難いことはないのだから。








正直、営業には向いていないと思う。

分析は割と得意だし客観的な思考も苦ではないから、企画開発とか。目立たないところで役に立てる総務とか。おおよそだけど自己分析をしながら自分に向いていそうな職種をしぼり始めた。







8月も終わる頃、俺もインターン申し込んだ！と樹から連絡が来ていた。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す