・ ページ47
金子さんに、藤ヶ谷さんや桃瀬さんが書いていたインターンの報告書と選考レポートを記入するように言われた。
樹と一緒に思い出しながら記入して金子さんに渡すと、以前俺も見たことのある会社の名前が書かれたファイルに綴じられた。名前だけでも桃瀬さんの隣に並べたようで、なんだか嬉しかった。
第一志望から内定は貰えたけれど、就活を出来る範囲で続ける旨を金子さんに伝えると、それでこそモモちゃんに似合う男よ！頑張りなさい！と励まされ、苦笑いでやりすごす他なかった。
それからは有言実行すべく、就活を続けた。
内定を貰えた安心感からか、いい意味で無駄な力が抜け、苦手だった面接もスムーズに行くようになっていた。面接で他社から内定は出ていますか、の問いにも自信を持って返答できた。春休みに入るころには、内定通知がいくつか届き、そして久しぶりに実家に帰ってきた樹が珍しく我が家に遊びにきた。
「･･･北斗ってさぁ、今更だけどほんと優秀なんだな。俺でも知ってるとこばっか」
家に届いた内定通知を見ながら驚いていた。
『･･･大丈夫、樹。正直、俺が一番驚いてるから』
大手企業から内定を貰えたことで、自他共に認める低水準の自己肯定感は多少改善された気がする。
4月に入って、藤ヶ谷さんから連絡があった。
「こんにちは、お久しぶりです。就活はどんな感じですか？」
『おかげさまで、5社内定を貰えました。あとは数日前に受けた銀行の最終面接の結果待ちです』
内定の企業を聞かれたので素直に答えると、藤ヶ谷さんもインターンで内定が出た後、俺と同じように就活を続け、俺も内定を貰えた企業のいくつかに内定をもらったことを話してくれた。
「俺たちが似てるなって話はこの辺にしておいて、今日は内定の返事を聞かせてもらいたいと思って連絡しました。どう？就活続けて気持ちは変わった？」
『いえ。･･･気持ちは変わってないです。是非御社で働かせてください。よろしくお願いします』
電話だけど、思わず頭を下げていた。
「そう言って貰えて安心した！こちらこそ！よろしくお願いします」
無事に就職先が決まった。
家族にも伝えると、兄の時のように盛大にお祝いをしてくれた。
社会人になるまで、あと少しだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 697人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月妃(プロフ) - 桜さん» その他、多々ご希望に沿えず申し訳ありませんでした。貴重なご意見ありがとうございます。 (2021年1月30日 3時) (
レス) id: 9fa29a3ce2 (このIDを非表示/違反報告)
月妃(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます。既にご存知かもしれませんが、お気に入り追加という機能を使用して頂ければしおり機能を兼ねていますので、読んだ続きからお楽しみ頂けます。次回更新の際も通知を受け取れたりと便利ですので、是非ご活用頂ければと思います。 (2021年1月30日 3時) (レス) id: 9fa29a3ce2 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 続けてのコメントですみません(>_<) この物語って芸能人設定ではなくて一般人 しかも学生さん設定だったんですね。。。 そうならそうで作品の紹介の所に書いていて 欲しかったですね｡｡｡ (2021年1月30日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜遅くにいきなりすみません。。。 思ったのですが...。 物語の各題名・だと後からどこまで読んだのかが分からないので数字もしくは第○話に変えてはどうでしょうか？ (2021年1月30日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月妃 | 作成日時：2020年6月29日 0時
