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きょとんとした顔のマークに頬を差し出し、そこを指でとんとんすると、私が言いたいことを理解したのか「馬鹿言うな!」と頭を強めに叩かれた。


『どうして?前は私がやめてって言ってもしてきたのに』
「あの頃はまだ子供だったから……!」
『今も子供じゃん。中学生と高校生だよ』
「そうだけど、その前にまず……」
『まず、何?挨拶みたいなものなんでしょ?おやすみってことでいいじゃん』
「よくない」
『も〜、じゃあ私がする』




唖然としているマークの額に唇をくっつけると、控え目なリップ音がした。マークは何度も瞬きをするとあれだけ寝ようとしなかったのに、もう寝る!と布団に顔を突っ込み「お前も早く寝ろ」ってその辺にほっぽってあったリモコンを手繰り寄せ電気を消した。




『寝た?』
「寝た」
『うそつき、寝てないじゃん』
「もう寝る」
『…………今日ね、お母さんに会ってきたんだけど相変わらずだったよ』
「…………」
『むしろ酷くなってた。テイルさんに注射を打たれたらすぐに力が抜けたみたいで……』
「A、本当に寝な。それで、起きたら美味しいご飯を食べよう」
『マークが作ってくれる?』
「……目玉焼きでいいなら」
『やったあ、半熟にしてね、割れてるのは嫌』
「割れたのはヒョンに食べてもらうよ」
『ちゃんと黄身は真ん中にして』
「先に言っとくけどそれは無理だ」




顔を出したマークは布団の中が暑かったのか頬はほんのり染まって、ぼーっとした顔をしていた。左右幅が違う二重線を本人は気に入っていないみたいだったけれど、私はマークの魅力の1つだと思ってるし、可愛いマークとかっこいいマークを見れるから好きだった。




「…………おやすみ」



頬ではなく、唇ギリギリの場所にされたそれはいつまでも熱を持っていた。『ねえ』「暗いからよく見えなかった」寝返りを打ったマークの背中におでこを当てると「うぉ」と声を出して驚いたから真似をすると「馬鹿にするのもいい加減にしろよ」再びこちらに体を向けたマークは「本当に寝るよ」と私を腕に閉じ込めた。



どちらのものか分からない心音が混ざり合って畳特有の香りと共に溶けていく。夢の中で、イタズラを仕掛けて失敗した私を叱っているときと同じ顔をしたドヨンさんが「だから言ったのに」と私の頭を優しく撫でた。

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くるみ(プロフ) - とっても面白くて、すぐに読み切ってしまいました!続きを楽しみに待っています♡ (1月20日 18時) (レス) @page50 id: 69d5710b46 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 過去一好きなお話でした!続編をお待ちしております^_^ (12月11日 1時) (レス) id: 62cc5adb96 (このIDを非表示/違反報告)
Lily - ほんとに面白いです、お話の作り方がとても素敵で、何度も見返してしまいます☺︎ (7月29日 23時) (レス) id: 530821bf39 (このIDを非表示/違反報告)
しちゃん(プロフ) - 展開も言葉の紡ぎ方も、私のドクストライクです♡こちらの作品すごくだいすきなので、この先の更新を楽しみにしています♡ (2024年6月21日 20時) (レス) id: a441c60bfa (このIDを非表示/違反報告)
cafe(プロフ) - ハラハラしつつも、日常の中に見えるクスッと感がたまらなく好きです!(個人的にドヨンの溢れ出る主人公への愛とジェヒョンの静かなシスコンの対比が大好物です笑)。筆者様のペースでこれからも更新頑張ってください!続きも楽しみにしています。 (2024年5月4日 18時) (レス) @page30 id: 509f3fa889 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴおん | 作成日時:2024年3月19日 8時

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