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『テンさんはなんで私のこと…』
「会う度に皆写真見せて自慢してくるからね。ジェヒョニなんか特にだよ」
電話を終えたテンさんは、ふきんを濡らしてきて付いた血を拭くように私に促した。ドンヒョクは青い顔で「これはどういうことなんだよ」とテンさんに詰め寄った。
「ちょっと落ち着きなよ。男なのに情けないな、Aちゃん見習えば？」
「ふ、ふざけんな！お前、人を殺したんだぞ！」
「でも僕が来なきゃ今頃お前が死んでたよ」
私も人が死ぬ瞬間を見たのは初めてだし、誰かが殺めるのも初めて見たけれど、あのお家にいる限りはいつかは出くわすんだろうなと覚悟はしていたから、変に冷静だった。
「お前、こいつらと繋がってたりする？そうなったら生かしちゃおけないんだけど。この店パッと見普通の定食屋だけど、クスリの密売とか銃器の売買でしか使われないんだよ。働いてるやつらもあんなんだし一般人は立ち寄ろうとしないでしょ。実はこいつらとグルでAちゃんを使ってあの家の誰かをおびき寄せようとでもしてた？」
テンさんはどこから取り出したのかドンヒョクの喉元にナイフを突き付けた。「ひっ」「………」ドンヒョクを一睨みしたテンさんはナイフを降ろし「今日見たことは誰にも言うな」と襟元を掴む。ドンヒョクが口を開きかけ、また何か噛みつきでもしたら困るから『テンさん、拭けたよ』私が声をかけると、さっきまでの氷のような雰囲気はどこへやら「お、偉いじゃーん」と私の頭を撫でた。
「ジェヒョニがお迎えに来てくれるみたい。マークに頼もうかと思ったけど、たぶんあいつじゃ駄目だから」
髪にこびりついてしまった赤黒い塊はきちんと綺麗に洗い流せるのだろうか。皆が好きだと言ってくれた自慢の黒髪からは、私が大嫌いな鉄の匂いがした。
「あ、そういえば、ドヨンイがいつまで俺はドヨンさんなんだって拗ねてたから、次に会ったときは皆と同じ呼び方をしてあげて。きっと喜ぶよ」
『……呼んだら欲しいもの買ってくれますかね』
床に何人も血を流して転がっているのに平然と会話を続けられる私はどこかおかしいのかもしれない。たぶん、そうして気を紛らわせたいというのもあるんだろうけれど、これからジェヒョンくんが来てくれることに安堵していた。
「…ヒョン！」
しばらくすると、普段はおっとりしているジェヒョンくんが血相を変えてテンさんと同じようにキッチンから現れ、私を確認すると泣きそうな顔で私を抱き締めた。
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cafe(プロフ) - ハラハラしつつも、日常の中に見えるクスッと感がたまらなく好きです！（個人的にドヨンの溢れ出る主人公への愛とジェヒョンの静かなシスコンの対比が大好物です笑）。筆者様のペースでこれからも更新頑張ってください！続きも楽しみにしています。 (5月4日 18時) (
レス) @page30 id: 509f3fa889 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ(プロフ) - 面白すぎる！素敵な作品です(*'▽'*) (5月1日 21時) (レス) id: 272efde30c (このIDを非表示/違反報告)
cooky(プロフ) - 続き楽しみにしております！ (4月28日 22時) (レス) @page28 id: 55ebdcbd41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴおん | 作成日時：2024年3月19日 8時
