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私の家族は全員仲がよくて、毎年夏になると旅行に行っていた。お父さんは銀行員で、お母さんはそんなお父さんを甲斐甲斐しく支えている。私も結婚したらこんな家庭を築きたいと憧れたし、パパみたいな人と一緒になってママみたいな人になる、が小さい頃の私の口癖だった。お母さんは困ったように笑っていて照れているものだと思っていたけれど、それは違ったんだと分かったのは、私が7歳のときだった。
お父さんはお母さん以外に女の人がいて、私とお母さんを捨ててその人と一緒になった。お母さんは私がお腹の中にいるときからそれを知っていたらしい。それでも自分と一緒にいてくれたから我慢できていたみたいだけれど、お父さんがいなくなった途端堰が切れたようにお酒に溺れるようになった。
家の近所にある小さな酒屋はいい加減な営業をしているから、子供の私にもお酒を売ってくれた。「嬢ちゃん、あまり口を挟みたくはねえが……」「これお金！」おじさんが言いたいことは分かっているのだ。最初は見えないところにしかなかった痣が、顔や喉など目につく場所にも増えてきた。お母さんはお酒に溺れた際、ふとした瞬間にお父さんのことを思い出すと私に暴力を振るうようになっていた。学校になんか行かせてもらえなかった。本当は行きたかったんだけど「あんたまで私を置いていくの」と
お母さんが泣くから。子供だからお母さんが全てだったし、お母さんがいなければ生きていけないことくらい私も分かっていた。
お父さんが月始めに送ってくれる生活費は、罪悪感からなのか何なのか、私とお母さんの2人には多すぎるくらいの額が振り込まれていて、こんなことするならなんで出て行ったんだろう、とお母さんの泣き声を聞きながら私は1回だけこっそり泣いた。
「お母さん」
「何よ」
「やだ、お母さん、私はお母さんとずっと一緒にいるから……」
何か気に食わないことがあったのか、寒い冬の日怖い顔をしたお母さんが家から私を追い出した。裸足のまま部屋着の私はしばらくそこにいたけれど、さすがに凍え死んでしまいそうだったから、まだ動いていた方がマシだろうし、その間にお母さんの機嫌が直っているかもしれない、と昔3人で遊んだ公園に行くことにした。
遠くから仲睦まじく遊んでいる親子をやるせない気持ちで見ていたら「きみ、靴は？」と、後ろから声が聞こえたから振り向くと、そこには私と同い年くらいの男の子。
「俺はマーク。きみの名前は？」
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cafe(プロフ) - ハラハラしつつも、日常の中に見えるクスッと感がたまらなく好きです！（個人的にドヨンの溢れ出る主人公への愛とジェヒョンの静かなシスコンの対比が大好物です笑）。筆者様のペースでこれからも更新頑張ってください！続きも楽しみにしています。 (5月4日 18時) (
レス) @page30 id: 509f3fa889 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ(プロフ) - 面白すぎる！素敵な作品です(*'▽'*) (5月1日 21時) (レス) id: 272efde30c (このIDを非表示/違反報告)
cooky(プロフ) - 続き楽しみにしております！ (4月28日 22時) (レス) @page28 id: 55ebdcbd41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴおん | 作成日時：2024年3月19日 8時
