安室透の前で盛大にこけるところから始まる話

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＊降谷



“俺の心を支えてくれる(太陽みたいな)人”

そう言った瞬間、ポアロがシン…と静まり返った。

えっ。ちょっと待てよ。
どういうことだよ。
どんな人って聞いてきたのは園子さんたちじゃないか。
それなのに、答えたらなんでそんなポカンとした顔をしてるんだ。

「……は」
「“は”？」
「破壊力がすさまじい…！！！」
「ええっ！？」

わ〜！と言って、顔を隠す梓さん。
破壊力ってなんだ。
何の破壊力だ。

「イ、イケメン…！！！」
「…なんか、さすが安室さんって感じだよね」

キャーと梓さんと同様に顔を隠す園子さん。
その様子を苦笑いして見てる蘭さん。

待て。俺は一体何をした。
断じて何もしてないはずだが。

「…もしかして安室さん、それ、無意識？」
「え？何がだい？」
「……めちゃくちゃ幸せそうな顔してるよ。そんな顔をするほど好きなんだね」

そう言ってズコーッとものすごい勢いでコーヒーを飲み干すコナンくん。

…嘘だろ。そんな顔してたのか。
ポーカーフェイスは得意なはずだったのに。
Aのことを考えるだけでそれが崩れるなんて、どれだけ好きなんだよ。
重症すぎるだろ…。

「でも、太陽みたいな人かぁ〜。うーん……あ！もしかして、安室さんの好きな人ってAさんですか？」
「………」

梓さんってこんなに鋭い人だったか？(2回目)
いや、もう、本当に当たりすぎて何も言えない。

「Aさんって？」
「あ、そっか。園子ちゃんたちは会ったことないかもしれないわね。ポアロに来る常連さんなの。お話をする時はずっとにこにこしてて、嬉しそうな顔をしてくれて、笑顔が可愛くて、髪がサラサラでね。本当にいい人なの」
「えっ！？お話しする時、ずっとにこにこしてるの！？」
「うん。そうだけど…。どうしたの？コナンくん」
「う、ううん。なんでもない…」

そう言いつつも、どうにも納得できないような顔をするコナンくん。
わかる。その気持ちすごくわかる。
俺たちと話すときは、ずっとにこにこはしてないもんな。

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