※番外編 ページ43
「……」
『……』
「…やらかしたな」
『ほんとそれな』
そういえば料理中だと慌ててフライパンを見ると、そこには真っ黒になった薄焼き卵。
きっと今日はオムライスだったのね。
となりのフライパンではチキンライスが作られていた。
「……卵、買いに行くか？」
『今から？もう12時すぎるわよ』
「……」
時計を見て顔をしかめる安室さん。
卵を焼いているのを忘れるなんて、私達はどれだけ盛り上がっていたのかと。
はぁ。とそろってため息をつく。
『仕方ないから、透ママに免じて今日はチキンライスで許してあげるわ』
「おい、その透ママって言うのやめろ」
『嫌よ。いいじゃない、透ママ』
「どこがいいんだ。俺がママだと君を彼女にできないだろう」
『え？』
「あ。……いや、なんでもない。忘れてくれ」
スプーンを持ってスタスタと食卓へ歩いていく安室さん。
そうね。忘れないと。
私達は付き合う気なんてないのだから。
…そうよ。付き合う気なんて、ない、はずよ。
ズキズキと痛む心なんて気にせずに、私も食卓へ足を進める。
「食べ終わったら家まで送っていく」
『え？今日はここに泊まるんじゃなかったの？』
「………そんなに襲われたいのかお前」
『いえいえ。帰らせてもらいます』
真顔で襲うとか言わないでよ。
それは付き合ってないんだから言ったらダメよ。
付き合ってないにしては、色々とアウトな行為も多いけど。
まあ、それは今は目を瞑って。
とりあえず今日は嫌なことばかりだったけど、透のおかげで元気は出たし、ストーカー事件も解決したし、そこだけはお礼を言ってもいいかもしれないわね。
『……ありがとうね、透』
「…………お昼ご飯に変なものでも食べたのか？」
『失礼ね。私だってお礼くらい言うわよ』
「ははっ。冗談だよ。可愛い。あとでキスする」
『は？待ってなにそれ。いきなりそういうのぶっこんでくるのやめてくれる？』
「そういうのってどういうの？」
『だから、急にキスするとか言、んっ』
チュッと可愛らしいリップ音が小さく響く。
ニヤリと笑う安室さん。
なっ、コイツ…！！
「ケチャップ味だな」
『なにすんのよこの変態！！』
「うるさい。もう夜中だぞ。そんな大声出したら近所迷惑だろう」
『……このロリコンゴリラめ』
「次それ言ったらはっ倒す」
キッとお互い睨み合う。
が、すぐに同時に吹き出して笑って。
きっと、今、笑顔で居られるのはあなたのおかげね。
そう考えながら、チキンライスを口に運んだ。
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はりねずみ。(プロフ) - 由羅さん» 神だなんてもったいないお言葉です……！ありがとうございます！ (2020年3月15日 17時) (
レス) id: f57cf1299c (このIDを非表示/違反報告)
由羅(プロフ) - 神、神ですね……神としかいいようがないです (2020年3月10日 14時) (レス) id: a829207c12 (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - 笑々さん» ありがとうございます！！笑っていただけて嬉しいです！私自身、そんな感じの会話が大好きなので、安室さんたちにもやってもらいました笑 ありがとうございます！ (2019年10月10日 23時) (レス) id: 2649fb9203 (このIDを非表示/違反報告)
笑々(プロフ) - 名前を呼ばせるところで、早すぎだろなんか腹立つな は声をあげて笑いました笑 ありがとうございます笑 (2019年9月23日 10時) (レス) id: f052978bd7 (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - ここねさん» きゃー！ありがとうございます！！とても！すごく！本当に嬉しいです！！続編でも面白さとキュンキュンを追求してお話を進めれるように頑張りますね！これからもよろしくお願いします！ (2019年5月12日 17時) (レス) id: 2649fb9203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はりねずみ。 | 作成日時：2018年12月12日 7時
