14【クリスマスイブは少し大胆に】 ページ15
12月24日。
いわゆるクリスマスイブという日。
今日も今日とて、私はポアロに来店していた。
仕事は大丈夫なのかって?
もちろんしたわよ。
イベントでも変わらずあるわよ。
定時に終わらせて必死に走って、ラストオーダーに間に合わせるように来たんだから。
前にポアロから逃げたような行動したじゃないかって?
そんなの前の話よ。
安室さんのハムサンドが美味しすぎて、梓さん不足になりすぎて、耐えきれずにあれから何度も来たわよ。
いちいち気にしてたら私らしくないしね。
「お待たせしました。クリスマス限定スペシャル半熟ケーキです」
『おぉ…!!』
目の前に出されたのはクリスマス仕様にされた半熟ケーキ。
そうよ。これを待っていたの。
これを食べるために走って来たのよ。
いつもに増してクリームやフルーツがすこし多めだったり、ケーキ本体にサンタさんの可愛い絵がかかれていたり。
安室さんって本当になんでもできるのね。
この人、弱点とかないのかしら。
一口食べるとふわりと味が広がって頰が緩む。
一口、また一口とどんどんとケーキを口へ運ぶ。
はぁ〜幸せ。
いつも通り、顔と料理の腕だけはいいのね。
「美味しそうに食べますね」
『だって本当に美味しいし、これのために仕事を終わらせて必死で走って来たし』
「あぁ、だからすこし髪が乱れてるんですね」
安室さんの手が前髪に触れる。
その行為にフォークがピタリと止まった。
『何してるんですか』
「何してるって乱れた髪を整えてるだけですよ」
『…別にほっといていいですけど』
「ダメですよ。僕の前では可愛くしないと」
『どうしてですか』
「だってあなたは僕のことが好きでしょう?」
『あなたの か お がタイプなだけです。変なこと言わないでください』
なんてこと言うんだこのイケメン。
顔がタイプなだけよ。それ以外はタイプじゃない。
私は優しくて気遣いのできる人がタイプなのよ。
それをこのイケメンが満たしてると思う?
「それは残念ですね。せっかく優しく整えてあげようと思ったのに」
はいアウト。満たしてないわよ。
そうやって自分で優しく整えてあげるとか言っちゃうところでアウトだから。
『安室さんって残念ですよね』
「いきなり何ですか。失礼ですよ。…いや、すみません。そういう人でしたね」
『ほら!最後のやつを言っちゃう所とかがポイントを減点するところですよ!!』
「何のことかさっぱりですね」
涼しい顔で笑う安室さん。
絶対分かってるだろ、その顔は。
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はりねずみ。(プロフ) - 由羅さん» 神だなんてもったいないお言葉です……!ありがとうございます! (2020年3月15日 17時) (レス) id: f57cf1299c (このIDを非表示/違反報告)
由羅(プロフ) - 神、神ですね……神としかいいようがないです (2020年3月10日 14時) (レス) id: a829207c12 (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - 笑々さん» ありがとうございます!!笑っていただけて嬉しいです!私自身、そんな感じの会話が大好きなので、安室さんたちにもやってもらいました笑 ありがとうございます! (2019年10月10日 23時) (レス) id: 2649fb9203 (このIDを非表示/違反報告)
笑々(プロフ) - 名前を呼ばせるところで、早すぎだろなんか腹立つな は声をあげて笑いました笑 ありがとうございます笑 (2019年9月23日 10時) (レス) id: f052978bd7 (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - ここねさん» きゃー!ありがとうございます!!とても!すごく!本当に嬉しいです!!続編でも面白さとキュンキュンを追求してお話を進めれるように頑張りますね!これからもよろしくお願いします! (2019年5月12日 17時) (レス) id: 2649fb9203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はりねずみ。 | 作成日時:2018年12月12日 7時