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どうして安室さんがムカついてるのよ。
私、何もしてないじゃない。
梓さんが好きすぎるって言っただけじゃない。
それのどこにムカつく要素があるの。
「ほら、早く入りますよ」
『やだやだ無理無理。会ったら心臓が口から出ちゃう。梓さんの顔がタイプすぎる好きすぎる』
「………僕の顔もタイプって言ったじゃないですか」
『え?それ、今関係なくない?』
少し拗ねたような顔をする安室さん。
何よ。
そんな顔されたら私が悪いみたいじゃない。
たしかに安室さんの顔もタイプだけど、今は梓さんの話をしてるでしょ。
どうして急に安室さんの話が出てくるの。
「…もういいです。入らないのなら帰ったらどうですか」
『……もしかして、怒ってます?』
「怒ってませんよ」
『絶対怒ってますよね?眉間にしわがよってますよ』
「怒ってません」
『…………』
絶対怒ってるじゃん。
仮に怒ってないとしたら、その怖い顔はどうやって説明するのよ。
『……どうしたら許してくれますか?』
「…………」
『安室さん?』
「…………」
そっぽを向いて黙ってしまった安室さん。
嘘でしょ。しゃべってくれないの?
……なんだか悲しいじゃない。話してよ。
『……ごめんなさい。理由はわからないけど、気分を害してしまったのは謝ります。だから、無視しないでください。………悲しいです』
言葉にしたら余計に悲しくなっちゃって、思わず下を向いた。
どうしてよ。どうしてこんなに安室さんの言動にいちいち感情が揺さぶられるのよ。
私らしくないわね。
「………僕に無視されたら悲しいのですか?」
『…………何故かわからないけど、そうですね』
安室さんはぱちぱちと目を瞬かせて、こちらをじっと見た。
そして数秒何かを考えた後、嬉しそうに顔を綻ばせた。
その顔は反則よ。
イケメンにそんなに嬉しそうに笑いかけたら、ときめいちゃうじゃない。
「いいですよ。許してあげます」
『やっぱり怒ってたんですね』
「僕は怒ったりしませんよ」
『さっきまで怒ってた人が言いますか』
「さて、何のことでしょう」
にこにこ笑って扉を開けた安室さん。
軽快なベルの音が鳴り響く。
未だに腕は掴まれたままでずるずると中へ引っ張られた。
私が気を抜いてる隙に店内に入れたわね、このイケメン。
あ、どうしよう。梓さんと目があった。
心拍数がえげつない。
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はりねずみ。(プロフ) - 由羅さん» 神だなんてもったいないお言葉です……!ありがとうございます! (2020年3月15日 17時) (レス) id: f57cf1299c (このIDを非表示/違反報告)
由羅(プロフ) - 神、神ですね……神としかいいようがないです (2020年3月10日 14時) (レス) id: a829207c12 (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - 笑々さん» ありがとうございます!!笑っていただけて嬉しいです!私自身、そんな感じの会話が大好きなので、安室さんたちにもやってもらいました笑 ありがとうございます! (2019年10月10日 23時) (レス) id: 2649fb9203 (このIDを非表示/違反報告)
笑々(プロフ) - 名前を呼ばせるところで、早すぎだろなんか腹立つな は声をあげて笑いました笑 ありがとうございます笑 (2019年9月23日 10時) (レス) id: f052978bd7 (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - ここねさん» きゃー!ありがとうございます!!とても!すごく!本当に嬉しいです!!続編でも面白さとキュンキュンを追求してお話を進めれるように頑張りますね!これからもよろしくお願いします! (2019年5月12日 17時) (レス) id: 2649fb9203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はりねずみ。 | 作成日時:2018年12月12日 7時