アイドル ページ26
今日はモデルさせてもらってる雑誌の撮影
ヘアセットは終わったから撮影の準備が終わるまで待機中やねんけど
「ふふっ笑 楽しそう笑」
昨日撮った写真を眺めながら色々思い出してはニヤニヤしてしまう
どの写真も藤井くんとの距離が近くて
「幸せそうやなぁ…」
写真の中の自分はどれも幸せそうな笑顔で
好きな人が隣にいるだけでこんなに笑えるなんて自分は恋する乙女やなって改めて自覚する
でも相手は無自覚胸キュンマシーンの天然たらし
ほんでもって俺のファン
この気持ちを打ち明けたくなるけど、それができないこの恋がもどかしい
だけど友達としてでも藤井くんの近くにいたくて
今日は前髪上げて撮影!
連絡を途絶えさせたくない俺は今日もいつも通りメッセージを入れる
俺が送ればすぐに既読がついて
R.F可愛い
たった一言のメッセージ
俺が自撮り送ればいつもこの返信
ほんまに思ってる？？って感じる時もあるけど
ファンの子達は"可愛い""かっこいい"って色んな俺を見て言ってくれるもんなって思うと
ほんまに俺のこと好きやね笑
一番のファンなんちゃう?笑
藤井くんの言う全ての褒め言葉はファンとしてのものやと思ってしまう
"一番のファン"
それは決して間違ってないようにも思える
やってアイドルになるずっと前から藤井くんは俺のこと応援してくれてるから
…って、ファンに歴なんて関係ないんやけどね笑
最近から応援してくれてる人も俺の大切なファンやし
ファンの人がおらんと俺やっていけへんから
そんなことを考えてファンの人を思い浮かべていると
"ピコンッ"
俺のメッセージに対して、ちょっと間を開けて帰ってきた返事
「え…」
通知欄に表示されている文字に俺の鼓動は加速していく
R.Fなぁ気づいてや
どういうこと？
気づいてってなに？
これもまた意味がないものなのか
それとも今度は意味があるものなのか
答えがわからずスマホと睨めっこを続けていると
「ﾋﾞｸｯ…！」
通知を表示してたはずのスマホ画面が電話を知らせる着信画面へと切り替わる
"R.F"
そう表示されてるスマホ画面に俺はドキドキしながら指をスライドさせる
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作者名：まかろん
| 作成日時：2023年7月8日 23時
